写真2=エアビーアンドビー(Airbnb)が今年1月行ったK-POPアイドル「AleXa(アレクサ)」のダンスクラス。[写真 エアビーアンドビー・コリア]
◆「今後3~5年、観光客3000万人時代を作る機会」
--関心が実際の訪問にも続くだろうか。
「今後3~5年が、韓国が世界的な観光地として飛躍できるかどうかの岐路となる。韓国コンテンツがこのようにグローバルな関心を集めたことがこれまであっただろうか。2000年代、2010年代とは確実に違う。正直言って、今回のK-POPオンライン体験を企画するとき、中国・日本の訪問客が多いだろうと思った。ところが違った。半分以上が北米と南米からだった。彼らは実際の訪問意志が高い潜在顧客だ」
--潜在需要はどの程度になるか。
「政府が昨年初めに外国人観光客2000万人誘致を目標に掲げたときでさえ、米国や欧州の需要はこれほどではなかった(2019年外国人観光客は1750万人、韓国観光公社)。これからは海外観光客3000万人時代を準備するときだ」
--外国人観光客が急増するから、エアビーアンドビーをもっと活性化しようということか。
「韓国観光産業全体が恩恵を受けるだろう。その恩恵をエアビーアンドビーがすべて吸収するべきだとは思わない。ただし、騒がしい観光地よりも静かで個人的な旅行地を好む流れだけははっきりしている。エアビーアンドビーが提供する一般住宅街や別荘の一軒家のようなプライベートな空間、キムチの漬け込みのような韓国だけの面白い体験などが人気を呼ぶだろうと考える」
◆観光活性化するというが…「制度が競争を制限」
現在、自治体の最小単位地域を除き、内国人がエアビーアンドビーの家庭宿舎を利用するのは違法だ。2011年に作られた「外国人観光都市民宿業」制度のためだ。韓国の家庭は外国人体験用に制限するというのが骨子だが、事実上、死文化している。江南(カンナム)・弘大(ホンデ)などの都心繁華街はもちろん、済州(チェジュ)・江原(カンウォン)など休養地ではエアビーアンドビーの宿泊が制限なく行われているためだ。シェアエコノミーという時代の流れとはかけ離れた過去の規制が、内国人の逆差別の根拠に使われているとの批判もある。
これを勘案し、韓国政府は2019年から「共有民宿業」という新たな制度を推進中だが批判は依然と根強い。内国人の宿泊を許容するものの、家主が住む家でなければならず(空き家禁止)、営業日を年間180日に制限した。モーテルなど従来の宿泊業界の反対が激しく、これさえも実現の可能性が不透明だ。
--規制の話をしたい。議論が2年間にわたり停滞状態だ。
「さまざまな利害関係が絡み合って合意が容易ではない。3種類の原則が重要だと考える。1つ目は消費者効用を高めるには競争を促進しなければならないこと。2つ目は観光客がどのような類型の宿舎を好むのかなど、正確な事実に基づいて議論しようということ。3つ目は長期的な観点で見なければならないことだ。政府が観光客2000万人誘致を目標に掲げていた時とは状況が大きく変わった。コロナが終われば観光客3000万人を受け入れなければならない。どのような制度と器を作れば、観光客に韓国が良い経験や記憶を残せるのか、深く考えなければならない」
--共有民宿業は韓国だけの特殊な規制なのか。
「エアビーアンドビーは191カ国に進出している。国ごとにアプローチ法が異なる。営業日180日制限は日本の規制だが、韓国政府がこれをベンチマーキングした。だが、日本には(韓国とは違って)居住実績要件がない。空き家もエアビーアンドビーとして活用することができる。国内では競争を制限する方向に議論が流れていて残念だ」
「訪韓外国人3000万人時代来る」Uber・Airbnbを経たCEOの予見(1)