現代自動車の電気自動車ラインナップ。[写真 現代自動車]
車載半導体の品薄状態が深刻化する中、韓国政府が対応に乗り出した。最近、日本で車載半導体MCU(マイクロ・コントロール・ユニット)の世界生産2位(昨年売上高基準)のルネサスの工場で火災が発生したことを受け、対応の速度が早まった。
25日、産業通商資源部によると、政府は短期需給条件を改善するために車載半導体輸入申告審査時の書類提出、検査選別手続きを最小化するなど、24時間通関支援システムを稼働中だ。輸入に支障をきたす場合、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)関連の緊急物資輸出入に準ずる関税行政システムを適用することにした。
また、車載用半導体の調達業務と関連した企業が出入国する場合、新型コロナ隔離免除審査を迅速化することにした。新型コロナワクチンの予防接種も推進する。国内で開発した車載半導体の利用率を高めるために、緊急性能評価制度も導入した。
最近、「未来の車-半導体連携・協力協議体」が発足した。自動車・半導体企業が共同技術開発を推進するなど協力モデルを発掘し、車載半導体への自立に速度を増す趣旨だ。官民協力チャンネルを活用し、主要国、海外の半導体企業、協会などと協議も進めている。最近、多数の車載半導体を委託生産する台湾に協力を要請した。
政府は、需給に支障が少なくとも7-9月期まで続くと見ている。短期間に解決できない問題と見て、長期対応策も講じた。車載半導体の研究開発に2022年までに2047億ウォン(約196億円)を支援するという内容だ。単に半導体だけでなく、車載AP(アプリケーション・プロセッサ)、コンピューティングチップ、「レベル4」水準の自動運転車の部品開発に支援分野を広げた。事業化の速度を上げるために、既存の家電・産業・モバイル半導体を車載用に切り替えることができるように支援することにした。
市場調査会社IHSマーケットによると、車載半導体の需要は年平均7%増加し、2026年に676億ドル規模(約7兆3629億円)に及ぶ見通しだ。しかし、現在、国内には車載半導体製造工程がない。工程投資に数兆ウォンかかるが、収益性はモバイル半導体などに比べて劣る。今回の品薄状態は、グローバル半導体メーカーが車載よりも相対的に収益性の高いスマートフォン・PC・家電などに優先供給したことから生じた。産業通商資源部のソ・ギルウォン未来自動車産業課長は「国内の自動車に搭載する車載半導体の98%が輸入製であるほど海外依存度が高い」とし、「今回の品薄事態を機に、国内の車載半導体事業を育成する」と述べた。