韓国政府「スエズ事態で物流遅延を懸念」…HMM船舶4隻がケープタウンに迂回


座礁した超大型コンテナ船「エバーギブン(Ever Given)号」がスエズ運河を抜け出せず、韓国政府も対策の準備に入った。国内の海運業界のほか、輸出・輸入物流にも影響を及ぼすからだ。

海洋水産部は28日、「スエズ運河通航中断非常対応班」会議を開き、国内の主要船会社の対応状況を点検した。23日に台湾船会社エバーグリーン所属の貨物船が座礁してスエズ運河を通航できなくなると、海洋水産部は独自の対応班を設置して状況をモニタリングしてきたが、その後、事態が長期化する可能性があるという分析が出ると、この日から対応体系を官民共同に拡大した。

韓国海運協会とHMM(旧現代商船)など関係機関が参加したこの日の会議で、政府はまずスエズ運河近隣の海上で待機しているHMMの2万4000TEU(1TEU=20フィートコンテナ1本)級コンテナ船「グダンスク(Gdansk)号」の現在の状況について報告を受けた。文成赫(ムン・ソンヒョク)海洋水産部長官は「グダンスク号」の船長と衛星通信を通じて船員の安全や現況などを点検し、事態の長期化に備える必要があると注文した。

海洋水産部によると、現在スエズ運河近隣で足止めを食った韓国国籍の大型コンテナ船は「グダンスク号」1隻。事故収拾が長期化する兆候が表れると、HMMは該当航路を通過する予定だった船舶4隻を南アフリカのケープタウン路線に迂回させることにした。このほか、スエズ運河付近で待機中または1週間以内にここを通過する韓国船舶は約30隻。

文長官は「スエズ運河の通航が中断し、国際物流の遅延が深く憂慮される状況」とし「スエズ運河近隣の待機船舶と迂回船舶ともに安全管理を最優先にしてほしい」」と強調した。続いて「迂回航路を利用する際、関連情報を荷主に通知し、船会社別に事態の長期化に備えた非常運営体系を稼働しながら被害を最小化することを望む」と述べた。

今回のスエズ運河事態で最も被害が大きいところは欧州だ。格付け機関ムーディーズのダニエル・ハリード副代表はウォールストリートジャーナル(WSJ)に「欧州の自動車製造・部品会社が最も大きな打撃を受けるだろう」とし「現在、欧州では工場に付属品の在庫を置かず、工程に合わせて供給される『適時生産方式(JIT)』を採用しているため」と分析した。

コーヒーやトイレットペーパーの供給にも問題が生じると予想される。欧州はスエズ運河を通じてロブスタコーヒーの最大生産地ベトナムなどからコーヒーを輸入している。トイレットペーパーの原料となるパルプの運送もアジアから欧州に向かうルートが遮断される可能性がある。

エジプトを中東・アフリカの製品販売・生産基地とするアジア家電企業にも被害が予想される。WSJは「LGエレクトロニクスは中東とアフリカに販売するテレビをエジプトで組み立てる」とし「スエズ運河の事態が続けば売り上げに影響を及ぼすかもしれない」と伝えた。



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