サムスン電子が今年下半期に発売予定の7世代V NANDが搭載された消費者用ソリッドステートドライブ(SSD)製品。[写真 サムスン電子ニュースルーム]
メモリー半導体世界1位であるサムスン電子がNAND型フラッシュで200段を超える8世代V NAND技術を確保したと明らかにした。今後「1000段V NAND時代」にも超格差を維持して市場をリードするという自信も表わした。
サムスン電子のソン・ジェヒョク・フラッシュ開発室長(副社長)は8日、サムスン電子ニュースルームに投稿した寄稿文を通じて「サムスン電子はすでに200段を超える8世代V NANDの動作チップを確保した」として「市場の状況と顧客のニーズに合わせて適正な時期に新製品を発表できるように準備している」と伝えた。
電源が切れてもデータが保存されるNAND型フラッシュは同じ大きさの中により多くのデータを保存するのが技術競争力のポイントだ。過去には限られた2次元の平面構造でチップの大きさを縮小しながらデータの保存空間を増やす方式だったので技術的に限界があった。
この限界を克服したのが、サムスン電子が2013年世界で初めて開発した3次元(3D)V NANDだ。平面構造を脱して垂直に積みあげた3次元空間に穴をあけ各階をつなげてデータの保存容量を増やした。現在、V NANDは半導体業界に普遍化した技術になった。24段から始まったV NANDの段数は現在200段に近接した。
ソン副社長は「段数を高めるほどV NANDは『高さの限界』にぶつかる」と説明した。むやみに段数を高くして積むのでなく、同じ高さの中でより多くの段数を積むのが技術リーダーシップのカギということだ。また「サムスン電子は一度に100段以上を積みあげて10億個を超える穴をあけられるシングルスタック・エッチング技術を確保した唯一の企業」として「高さの物理的限界を克服して超高段にいくことができる」と強調した。
サムスン電子が今年下半期に発売予定の7世代V NANDが搭載された消費者用ソリッドステートドライブ(SSD)製品の場合、業界で最小セルサイズに選ばれる。3Dスケーリング技術で体積を35%まで減らした。これは、米国マイクロンなど競争企業の6世代V NANDと似たような大きさだ。
大きさは減らしながら性能は強化した。最大2.0ギガビット毎秒(Gbps)のデータ入出力性能と4世代直列構造の高速入出力インターフェースだけでなく、5世代インターフェース性能を備えた。また、3Dモデリング、映像編集など大容量の作業を同時に処理できるマルチタスキング機能を6世代より拡大した。
ソン副社長は「消費者用だけでなく、データセンター用SSDにも7世代V NANDを早く拡大・適用する方針」と伝えた。低電力ソリューションをベースに従来の世代に比べて電力効率を16%引き上げるという計画だ。また「サムスン電子は1000段積層V NANDも準備中であり、業界最高の信頼を得られる製品に進化していくだろう」と話した。
一方、サムスン電子は2002年グローバルフラッシュメモリーで世界1位にのぼった後、19年間トップの座を守っている。今年も1位を維持すれば、DRAMに続いてNANDフラッシュも「20年連続1位」となる。今年1-3月期のNAND市場でサムスン電子は33.5%のシェアで1位となった。2位である日本キオクシアとのシェアは14.8%ポイントの差だった。