(CNN) 米ミネソタ州の裁判所は25日、同州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんを暴行死させた元警官デレク・ショービン被告(45)に対し、禁錮22年6カ月の量刑を言い渡した。
薄いグレーのスーツにネクタイ、白いシャツを身に付けたショービン被告は、量刑言い渡しを前に短く発言。「フロイドさんの遺族に対する弔意」を表明した。
ミネソタ州法上、ショービン被告は刑期の3分の2に当たる15年を服役し、残りの7年6カ月については監督付き釈放を受ける資格を得る。
ミネソタ州の量刑指針では、被告の罪状について禁錮10年8カ月~15年が相当と定めており、今回はそれを超える刑となった。フロイドさんの死は全米で警察の暴力をめぐるデモを引き起こした。
判事は、この量刑は感情や世論に基づくものではないと説明。「フロイドさんの遺族をはじめ、全ての家族が感じている深く甚大な痛みを認めたかった」と述べた。
判事は22ページの決定文で、ショービン被告が「信頼や権限のある立場を乱用」し、フロイドさんを「特に残酷」に扱ったと指摘。被告のフロイドさんへの扱いは「敬意に欠け、全ての人間が持つ尊厳を否定」するものだったと述べた。
ショービン被告は4月、第2級非故意殺人、第3級殺人および第2級過失致死の罪で有罪判決を言い渡されていた。
フロイドさんの最期の瞬間は現場に居合わせた人によって携帯電話の映像に捉えられ、黒人米国人が長年指摘していた刑事司法制度における黒人の扱いの現状をまざまざと示すものになった。