慶尚北道安東(アンドン)のSKバイオサイエンスLハウスワクチン工場[写真 SKバイオサイエンス]
韓国のSKバイオサイエンスが開発中の新型コロナワクチンが臨床第3相に入る予定だ。
SKバイオサイエンスは29日、「新型コロナワクチン候補物質(GBP510)の臨床第3相試験計画(IND)を28日に食品医薬品安全処に提出した」と明らかにした。GBP510は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)などの支援を受けて米ワシントン大抗原デザイン研究所と共同開発した候補物質。
韓国国内で開発中の新型コロナワクチン候補物質が政府に臨床第3相試験計画を提出したのは今回が初めて。食品医薬品安全処が今回の試験計画を承認すれば、国内で初めて新型コロナワクチン臨床第3相に入る。
今回の計画には、国内14の機関を含め、外国の国家機関で健康な成人およそ4000人を対象に臨床試験を行う計画が含まれている。この過程でSKバイオサイエンスは免疫反応の程度などを評価し、副作用などを確認する予定だ。
ただ、SKバイオサイエンスが臨床第3相を試験する候補物質がGBP510に確定したわけではない。ビル&メリンダ・ゲイツ財団やCEPIとは別に、SKバイオサイエンスは別のワクチン候補物質(NBP2001)を開発している。NBP2001の臨床結果などを考慮し、SKバイオサイエンスは最終候補を選定する方針だ。
SKバイオサイエンス側は「新型コロナワクチン開発を加速化するために先制的に臨床第3相試験計画を提出した」とし「食品医薬品安全処と追加の細部協議を進める予定」と説明した。
今回提出した国内臨床第3相試験計画以外にも、SKバイオサイエンスは国際ワクチン研究所(IVI)と共に欧州・東南アジアなどで順に臨床第3相試験計画を申請する予定だ。来年上半期中の商用化を目標にしている。
GBP510は、CEPIが昨年新型コロナワクチン候補物質支援プロジェクト(Wave2)対象に選定した新型コロナワクチン候補物質。有効性・安全性を立証して商用化に成功すれば、COVAXファシリティを通じて数億回の接種分を世界に供給する。