コーウェイが制作したユーチューブ広告に出演したBTS。[写真 コーウェイ]
コーウェイが今年海外売り上げ1兆ウォン(約979億円)達成を目前に控えている。最大の海外市場であるマレーシアで売り上げが急増した影響だ。コーウェイはユーチューブなどのSNSマーケティングでマレーシア国内での位置づけを固めるのが目標だ。特に4月にモデルとして起用したBTS(防弾少年団)が新たな牽引車の役割をするという見通しも出ている。
◇初の海外売り上げ1兆ウォン突破の見通し
コーウェイのマレーシア法人が作ったコーウェイ・マレーシアのフェイスブックページのフォロワー数は30日基準で15万9000人を超えた。コーウェイ韓国法人のフェイスブックページのフォロワー数16万人と同水準だ。
マレーシアでコーウェイは「国民的企業」になっている。2006年の進出後、「韓国型レンタル・コーディネートシステムを導入し、現地の浄水器市場を急速に吸収した。専従スタッフが訪問して製品を管理するサービスを初めてマレーシアに導入し、これは他のレンタル企業が進出する踏み台になった。マレーシアで浄水器企業では初のハラル認証を取得するなど現地化にも力を入れた。その結果2010年からマレーシアで浄水器企業1位の座を守ってきた。
2015年からは成長が急激に進んだ。浄水器以外にマットレス、空気清浄器、温水洗浄便座などに事業領域を多角化した影響だ。2015年に978億ウォンだった売り上げは翌2016年には1430億ウォンに増え、2017年には3534億ウォンを記録した。昨年の売り上げは7085億ウォンだ。
1-3月期には昨年のマレーシアでの総売り上げの33%に達する2404億ウォンを記録した。コーウェイ関係者は「現地特化商品を拡大してブランドマーケティングに投資した結果」と説明した。
新型コロナウイルス感染拡大の余波と関係なく維持されるマレーシア市場の成長に、コーウェイの今年の海外売り上げは1兆ウォンを超えるだろうとの見通しがレンタル業界・証券業界から出ている。
未来アセット証券は今年のコーウェイの年間海外売り上げを1兆1270億ウォンと予想した。ハナ金融投資はマレーシアだけで1兆80億ウォンを記録すると予想した。
◇BTS前面に出し「Kコンテンツ」マーケティング
コーウェイは最近自社モデルになったBTSを前面に出してマレーシア国内での位置付けを確かなものにするという計画だ。マレーシアはBTSの海外ファンクラブの中でも規模が大きい方に属する。ユーチューブ統計ではBTSの音楽を11番目に多く視聴する国だ。
コーウェイはこれを考慮し、今月初めにマレーシア専用のBTS広告動画をユーチューブに公開した。BTSのメンバー全員が登場するマットレス紹介動画だ。再生回数は短期間で100万回を超えた。コーウェイはBTSとの残り契約期間中に別のコンテンツも公開する予定だ。
コーウェイは以前にもK-POPを活用したコンテンツマーケティングを展開したことがある。2019年にワンダーガールズの歌『Nobody』をパロディにしたマレーシア向け広告で900万回以上の再生回数を上げた。コーウェイ関係者は「マレーシアの青年がよく見るユーチューブなどを基盤にSNSマーケティングを強化する計画」と話す。
コーウェイの今年のマレーシア市場攻略はさらに激しくなる見通しだ。コーウェイは今年初めの人事を通じ、グローバル法人事業部門長のパク・ジェヨン常務を専務に、マレーシア法人長のチェ・ギリョン常務補を常務にそれぞれ昇進させた。海外市場成長に対する功労を認める一方、残る課題に力を与えたものというのがレンタル業界の評価だ。