(CNN) アフガニスタンのバグラム空軍基地に駐留する米軍の最後の一団が2日、同基地を離れる見通しとなった。国防当局高官がCNNに明らかにした。
広大な同基地はアフガンに展開する軍事力の中心拠点になっていた。米軍のアフガン完全撤収はまだだが、近日中に完了するとみられている。
2001年9月11日の米同時多発テロ後に初めて米軍部隊が到着し、バグラム基地の奪取を支援してから20年近く。アフガン軍への基地の引き渡しは目立たない形で進んだ。米史上最長の戦争に終わりが迫っていることを示す静かな幕引きとなった。
かつて同基地には老朽化した滑走路があるばかりで、周囲の建物にはほとんど電気が通っていなかった。その後、この飛行場は小さな街のようになり、基地や関連施設で働く数千人の要員や請負業者のため、店舗やジム、教室が整備された。
全長約3.2キロの滑走路は貨物機や戦闘機、攻撃ヘリコプター用のスペースを備え、アフガン各地で行われる軍事作戦の出撃拠点になった。ジョージ・W・ブッシュ、オバマ、トランプの各元大統領は全員、在任中にバグラム基地を訪れ、勝利とアフガンのより良い未来を約束した。
しかし、バグラムからの米軍撤退はむしろ、反政府武装勢力タリバーンにとっての象徴的な勝利となる。タリバーンは国内全土でアフガン軍に激しい戦闘を仕掛け、政府軍を後退させ、制圧地域を広げてきた。
オースティン米国防長官は1日、アフガンのモハマディ国防相と会談し、撤収完了が近づく中で米国は「アフガンの安全保障と安定」に注力していると語った。
同基地は長年、自爆テロやロケット攻撃を含むタリバーンの攻撃の標的となってきた。だが、最終的に米国の撤退につながったのは、暴力ではなく外交だった。国防総省はかねてアフガン駐留米軍の削減を進めていたものの、トランプ政権とタリバーンが昨年2月にカタールで調印した「ドーハ合意」が終わりの始まりとなった。2011年半ばの時点ではアフガン駐留米兵は10万人近く、米請負業者は3万5000人に上っていたが、その数は10年後に米兵2500人、請負業者1万8000人に減った。