世界でユーザー1億人超える人気ゲームのマインクラフト、韓国でだけ19禁か(1)


PCバージョンのマインクラフトが韓国だけで「19禁ゲーム」になる危機に直面した。[写真 マイクロソフト]
PCバージョンのマインクラフトが韓国だけで「19禁ゲーム」になる危機に直面した。[写真 マイクロソフト]

世界の子どもたちに人気のゲーム「マインクラフト」が韓国では「19禁ゲーム」になりかけている。深夜0時から午前6時まで16歳未満の青少年のPCゲーム使用を禁止する「ゲームシャットダウン制」のためだ。10年間続いたシャットダウン制の実効性をめぐる議論にマインクラフトが油を注いだ格好だ。背景を調べてみた。

◇何があったのか

世界累積販売量2億件、月1回以上の利用者1億2600万人。マインクラフトは世界的に人気のゲームであり、教育用としても使われる。ところがこのマインクラフトが韓国でだけ「成人用ゲーム」になる予定だ。マインクラフトはマイクロソフト(MS)が2014年にこのゲームを開発したモージャンスタジオを25億ドルで買収しMSの資産になった。

MSは今年の初めからモージャンのマインクラフトアカウントをMSのアカウントに統合し始めた。このゲームの最初のデスクトップ版「Java Edition」のセキュリティ問題を解決するためだ。この過程でMSは強制的シャットダウン制が施行されている韓国では「満19歳以上だけJava Editionを使うことができる」と公示した。特定の年齢帯だけ選んで特定時間帯に遮断する「韓国用サーバー」を別に構築できないため、韓国では成人だけがマインクラフトのアカウントを持てるようにするということだ。すなわち「成人用ゲーム」に転換するという意味だ。

最悪の場合、満18歳未満の韓国人ユーザーはすでに買ったこのゲームができなくなることもある。未成年ゲーマーの権利が侵害される懸念も出ている。ただ、モバイル版とコンソール版のマインクラフトユーザーには影響がない。

◇シャットダウンできないシャットダウン制

強制的シャットダウン制が韓国にだけある「ガラパゴス規制」という指摘が出てから久しい。女性家族部が青少年の健康保護を理由に導入したが、この10年間議論は絶えなかった。

シャットダウン制は韓国でするPCゲームにだけ適用される。モバイルやタブレットでするゲームは深夜0時以降に未成年者がゲームをしてもシャットダウンされない。ゲーム市場の軸がモバイルとクラウドを中心にシフトしているのにPCゲームだけ防いだ格好だ。韓国コンテンツ振興院の「ゲーム利用者実態調査」によると、全ゲーム利用者のうち91%(重複回答)がモバイルユーザーだった。PCゲームは59.1%にとどまる。青少年が保護者の名義でゲームをしたり、仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用して海外からゲームにアクセスしたように設定してもシャットダウン制を回避することができる。

このため、成長期の青少年の睡眠時間を確保するためとしていた導入趣旨に比べ効果も大きくない。2019年の国会第4次産業特別委員会の研究によると、シャットダウン制で増えた青少年の睡眠時間は1分30秒にとどまった。

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