「イビデンがなかったならTSMC誘致は難しかっただろう」。
最近日本の日経ビジネスがTSMCの日本投資を報道しながら引用した財務省関係者の話だ。TSMCがイビデンをはじめとする日本企業とパッケージング分野で協力するため日本を訪ねたという意味だ。イビデンは半導体パッケージング基板世界1位の企業だ。
18日の業界によると、ファウンドリー(半導体受託生産)微細化工程に続き半導体パッケージング工程で世界的な競争が激しくなっている。企業は次世代パッケージング技術に投資を増やし、他の企業との合従連衡も辞さない。専門家の間では「10年後にはパッケージング技術力により半導体業界の順位が決まるだろう」という見通しまで出ている。微細化工程が物理的な限界に至った状況で製品を差別化する方法はパッケージングだけという説明だ。
半導体後工程のひとつであるパッケージング関連技術が市場の注目を浴びたのは2016年からだ。サムスン電子がパッケージング問題でアップルのアプリケーションプロセッサ(AP)ファウンドリー受注をTSMCに奪われたというニュースが伝えられ世間の関心が集中した。当時TSMCはファンアウト型ウエハーレベルパッケージ(FO-WLP)技術を開発し、チップの厚さを20%減らし、速度は20%高めるのに成功した。
世界の専門企業と比べても世界3~4位に入るほどのパッケージング技術力を持つTSMCが日本と手を組む理由は、パッケージングがますます複雑になっているからだ。NAND型フラッシュを積むようにチップを積層する技術(TSV)、複数のチップを組み合わせてひとつのパッケージにまとめる技術(SiP)などが相次いで登場している。電装と先端サーバー用半導体はパッケージ完成品の面積が広いため、サイズ縮小に特化したFO-WLPでは限界がある。
業界ではTSMCがイビデンの主力分野であるフリップチップボールグリッドアレイ(FC-BGA)を通じてこの問題を解決するだろうとみている。チップを線ではなく面単位で基板につなぐ技術で、大面積パッケージングに有利だ。TSMCは200億円を投資して後工程分野の研究開発センターを設立し、東京大学に研究開発センターの建設も推進中だ。
TSMCとイビデンの同盟に対抗しサムスン電子も反撃に出た。パッケージング競争力強化に出たサムスン電機はTSMCのFO-WLP技術に対抗するパネルレベルパッケージ(PLP)開発に着手し、2018年に量産に成功した。歩留まりも95%を超えた。半導体パッケージ基板を使わないでメインボードにすぐチップを連結できる技術だ。
サムスン電機はイビデンと対等な競争をするためにこれまで主力だったモバイル・PC用半導体パッケージ基板のほかサーバー用市場にも参入する方針だ。業界では今年サムスン電機の半導体パッケージ基板売り上げが前年比19%増加した1兆4400億ウォンに達するとみている。サムスン電子もそれぞれ異なるチップを垂直積層する「Xキューブ」、複数のチップをひとつのパッケージで実現した「Iキューブ4」など多様な新技術を相次いで出している。