【速報】中国習近平「富裕層を撲滅する」

習近平主席が打ち出した”共同富裕”という概念についてもう少し掘り下げてみよう。みんなで富裕になるというのは幻想で、実際には富裕層から富を収奪するための目標だそうだ。つまり“ぜいたくは敵だ!”ということである。


「みんなで豊かに」習近平提唱の新目標に怯える大企業と富裕層
8/26(木) 6:01配信 JBpress

8月17日の中国共産党中央財経委員会・第10回会議で習近平が強く打ち出した「三次分配(三度分配)」が、中国の富裕層、大企業幹部らを狼狽させている。

この会議は「共同富裕実現の研究」と「重大金融リスクの予防緩和」の2つのテーマが議題となったが、「三次分配」は共同富裕実現の方法として提唱された。

共同富裕という目標は2017年10月の第19回党大会で強く掲げられていた。だが、今回の会議の中身が翌日に新華社通信などで公表されると、実は、共同富裕とは「みんなで豊かになる」のではなく「富裕層から富を収奪する」ことであり、これはひょっとすると、かつて地主や富農から土地や財産を奪った土地革命や、ブルジョア・知識人を打倒した文化大革命のように、富裕層・企業家らをターゲットにした階級闘争の再来なのではないか?  という不安が、富裕層や資本家、投資家らの間で広まってきたのだ。

■ 問題は格差是正のやり方

習近平は7月1日の建党100周年記念の大会で、「小康社会の全面的実現」(そこそこ豊かな社会=絶対貧困のない社会)の目標がすでに達成された、と宣言。次の100年目標(建国100周年の2049年に向けた目標)として、「共同富裕(みんなが豊かな社会)の実現」を強く打ち出した。

「共同富裕」論はこれまでも何度も繰り返されている。第19回党大会でも今世紀中葉までに「人民の共同富裕を基本的に実現する」という目標を掲げ、昨年(2020年)秋の五中全会では民営企業家揺籃の地といわれた浙江省を先行モデル区に指定して2035年までに共同富裕を実現することが提起された。これはいわば、鄧小平の「豊かになれる者から先に豊かになる」という「先富論」の時代は終わった、という宣言でもあり、今後の習近平新時代は、先に儲けた者が富を社会に還元させる時代、という社会主義の本質に回帰することを打ち出したとみられていた。

たしかに中国の貧富の格差は米国に勝るとも劣らない。中国の上位20%の富裕層の可処分所得の平均は最下層20%の可処分所得の10倍以上。中国人の生活水準は大幅に向上しているが、格差を示すジニ指数は近年0.46~0.47で、社会騒乱多発の警戒ライン0.4を大きく超えている。この格差は過酷なゼロ・コロナ政策によってさらに加速度的に拡大する傾向にある、という。社会の人流や物流を大きく制限され、消費が激減するゼロ・コロナ政策では、末端で働く低所得層ほど働く場を失い収入が圧迫される。

こうした格差の是正が中国社会の安定に欠かせないことは、中国の政策担当者の共通の認識である。だが、問題はやり方だ。

この半年間あまりの習近平の政策を見てみると、共同富裕モデル地区に指定された浙江省の杭州に本社を置く民営企業の雄、アリババがまずターゲットにされた。グループ企業のアント グループの上場を妨害され、独禁法違反で巨額罰金を徴収され、資産の売却なども迫られた。

独禁法や情報セキュリティ関連の法規の運用で罰金を科したり事業を接収したりすることは、一見いかにも大企業の不正を是正しているようにも見えるが、実際のところは、恣意的にターゲットを定めて見せしめ的に締め上げるという中国共産党の伝統的リンチ手法ともいえる。

学びがある! 39
分かりやすい! 49
新しい視点! 16

https://news.yahoo.co.jp/articles/a260221cd9862ec1d786b47ac2a56275f9ab355c

7月1日のやたら強硬な演説はフラグだった

米国を敵に回した中国は、いずれ先の大戦の日本と同じような運命を辿ることになる…という仮説は時々大手ネットサイトでも見かけた。習近平主席が7月1日に人民服を着てやけに強硬な演説をした時に感じた違和感は、まさに中国没落のフラグだったわけだ。

4ページもある長編の記事だったが、よくまとまっていて読みやすいとの評価だった。確かに結論までの流れが分かりやすかった。“分配”を掲げながら大企業をスケープゴートにして取り締まるための口実にするものと思われる。これでこそ共産主義の実現に一歩近づくことができるだろう。習近平主席は中国全体を”共同貧困”へと追いやる偉大な指導者だったのだ…!
■ 待ち受けるのは「共同貧困」時代? 

ニューヨーク市立大学政治学部の夏明教授が米政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ」にこう語っている。「西側国家において企業が行う慈善活動方式と違い、中国では、企業が社会において柔軟な影響力を発揮することを最終的に抑制する方向にある。というのも中国は、企業と公民運動が結びつき、1つの公民社会パワーになることを恐れているからだ」。

有能なNGO人材、ボランティア人材は、中国政府の恐れる「人民のリーダー」になり、習近平の敵となりうる。

だから、習近平政権が打ち出す「三次分配」政策とは、早い話が、富裕層や大企業から堂々と党が私有財産を収奪する口実に過ぎないのではないか、と富裕層たちが怯えるのは無理もない。

一部アナリストは、「市場経済に対する国家の干渉とコントロールがますます強まり、民衆の貧富拡大に対する不満、グローバル化への不信、米中関係の緊張が高まる中で、中国企業や富裕層がスケープゴートにされようとしている」と分析している。

このスケープゴートにされようとしている企業が、習近平が政敵とみなす政治派閥、たとえば上海閥などの利権に絡む企業であったとしら、この三次分配は、嫌いな企業をいじめる新たな武器にすぎず、彼らの富を、ひょっとすると習近平が作る新たな利権構造に移動させるだけになるかもしれない。

だとすれば、「共同富裕」どころか、いじめられた民営企業がモチベーションを失い、経済のパイが縮小し、一部の富裕層は富を失うかもしれないが中間層はさらに富を失い、貧困層はより貧しくなる「共同貧困」時代が来るかもしれない。いや、富裕層に向けられる大衆の敵意がより煽動され、最悪、文革のような階級闘争時代が帰ってくるかもしれない。