米ゼネラルモーターズ(GM)の14万台あまりに及ぶボルトEV(電気自動車)のリコールは、バッテリーの欠陥を確認したLGの通知が決定的だったことが分かった。GMは、LGから欠陥の通知を受け、リコール対象をバッテリーモジュールだけでなくバッテリーパックにまで拡大した。これにより、GMが推定した2兆ウォン(約1877億円)のリコール費用は、今後さらに増える可能性があるという見方が出ている。
26日、米国道路交通安全局(NHTSA)のリコール報告書によると、GMは23日、ボルトの追加リコール情報を米政府に送った。ここには追加リコールの理由と進行状況、対象品目などが含まれている。また、リコールを拡大する理由として、LGがGMにバッテリーの欠陥を追加報告した事実を明記している。
GMは当初、昨年末に火災が発生するおそれがあるボルトに対し、ソフトウェアをアップデートした。しかし、今年上半期まで2度にわたりソフトウェアをアップデートしても火災は止まなかった。GMはついに先月末、バッテリーモジュールを交換する1次リコールに踏み切った。リコール対象車は2017~2019年式ボルトで6万9000台だった。GMは当時、「バッテリーセルについて、2つの製造上まれな欠陥を確認した」という説明も添えた。GMが明らかにしたバッテリーセルの製造欠陥は陰極タブの断線や分離膜のずれの欠陥だった。
その後、GMは20日(現地時間)、2次リコールを電撃発表した。1次バッテリーモジュール交換方針の発表から1カ月も経っていなかった。リコール対象は1次リコールより多かった。2020~2022年式のボルトEVと2022年式ボルトEUVなど7万3000台が追加された。GMの株価が大きく下落するなど影響は少なくなかった。
これまで、GMのボルトに対する2次リコールの背景は知られていなかった。NHTSAが公開したリコール報告書には、これに関する具体的な理由が書かれている。GMはリコールと同時に、火災の原因調査を進め、1次リコール対象に含まれない車両でも火災が発生した事実を確認した。特にGMはこの車両に対する内部調査で、高電圧バッテリーパックが火災を誘発する可能性があるという事実を発見した。
これとは別に、LGも高電圧バッテリーセルとモジュールなどに対する内部調査を行った。ボルトに装着したバッテリーセルと、新たに生成したバッテリーセルなどが調査対象となった。それぞれ別の施設で生産・組み立てを行ったバッテリーセルとバッテリーモジュールも確認した。GMが1次リコール対象に含まれなかった車両に搭載したバッテリーにも2つの欠陥が存在する可能性があるということを確認した。
LGは、このような内容をまとめた内部調査の結果を、今月3日と12日にGMに伝達した。これを基に、GMは20日、ボルト7万3000台あまりに対する2次リコールを発表した。