米ゴールドマンが中国に引導を渡すような記事だ。来年の経済成長率予測を従来の5.6%から5.2%へと大幅に引き下げたのだ。中国経済は想定以上に速いスピードで衰退に向かう可能性がある。
ゴールドマン、中国の2022年GDP成長率見通し5.2%に-従来5.6%
(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループは、中国の2022年国内総生産(GDP)成長率見通しを5.2%に下方修正した。従来予想は5.6%だった。中国政府は不動産の債務削減など長期的な政策目標を堅持している。
ホイ・シャン氏らゴールドマンのエコノミストは25日のリポートで、7-9月(第3四半期)のGDP成長率鈍化とインフレ加速は政策面によるところが大きく、一過性にとどまる可能性が高いとし、10-12月(第4四半期)の成長率は前期比で持ち直すと見込んでいる。10-12月の前年同期比では3.1%へと鈍化する見通し。
ゴールドマンは「一部都市での不動産税の試行に関する新たなニュースで裏付けられたように、不動産の過剰債務削減など長期的な政策の方向性は変わっていない」と指摘した。
原題:Goldman Cuts China’s GDP Growth Forecast for Next Year to 5.2%(抜粋)
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中国経済没落の原因は恒大や不動産だけじゃない
黒井ブルームバーグの別の記事でも中国経済の衰退について触れられていた。不動産部門への依存度引き下げ、教育やITへの過度な締め付け、相次ぐ停電にパンデミックなど複数の要因が考えられるという。
中国経済、投資家の想定より大幅に減速の可能性-来年成長5%未満も
10/25(月) 1:11配信 Bloomberg
(ブルームバーグ): 中国経済は投資家が認識するよりも大きく減速するリスクがある。習近平国家主席による不動産部門への依存度引き下げ姿勢と、教育やテクノロジー業界への締め付けに加え、電力不足と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が背景にある。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)やシティグループは、中国の今年の成長率がコンセンサスの8.2%に届かないと見込み、鈍い成長は来年も続き5%を下回りかねないと警告する。2020年の2.3%を除けば、約30年ぶりの低い成長ということになる。
BofAのストラテジストらは、鄧小平氏が1970年代後半に打ち出した改革開放路線や、朱鎔基氏による1990年代の国有企業改革と金融改革に匹敵するような数十年に1度の経済の再構築を習主席が考えている可能性に言及。アジェイ・カプール氏率いるストラテジストは先週の顧客向けリポートで、今年の成長率を7.7%、来年を4%とする見通しを示した。
中国政府は自国を世界2位の経済大国に押し上げた高成長モデルから移行しようとしている。金融リスクを緩和するために債務の伸びを抑制し、不平等を和らげ、米国からのテクノロジー関連規制の脅威に対抗するためハイテク産業への資金振り向けに動いている。
国内総生産(GDP)の伸びは7-9月(第3四半期)に減速したが、電力不足が続けば一段の苦境を迎える可能性が高い。
中国経済、7~9月に減速-不動産低迷やエネルギー危機が打撃
中国政府は短期的な刺激策として不動産セクターを利用しない立場を繰り返しているものの、ここ数週間は市中銀行に住宅ローン貸し出しを増やすよう要請するなど、政策を一部緩める可能性を示唆している。元世界銀行の中国担当局長で現在はシンガポール国立大学東アジア研究所を率いるバート・ホフマン氏は、今後数カ月に政策緩和が打ち出されるとすれば、その目的は成長支援ではなく「大惨事の阻止」だと語った。
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黒井中国は個人消費が思ったほど多くない国で、それが米国との大きな違いと言われている。中国の個人は今回の恒大危機で大損を出したものと思われるから、消費はどう考えても冷え込むだろう。リーマンショックを避けようとしても経済的な衰退は回避不可能だ。