日本人が知らないトランプの現在の力
前大統領で、次の大統領になる可能性のあるトランプは、党内で誰よりも大きな権威と影響力を持つ。トランプの支持表明は候補者の資金調達力を大きく変え、究極的には得票数も大きく左右する。
とはいえ、共和党関係者は盤石の支持基盤を持つ重鎮のトランプが、党の未来を確かなものにする力となることを期待している。
本人が望むなら、2024年大統領選の候補の座はトランプのものだと党員の多くが考え、世論調査によれば、共和党支持者の大半もトランプ再出馬を望む。
昨夏には、トランプの政治活動委員会(PAC)がアイオワ州で人員採用を始めた。大統領選候補指名レースが毎回、同州の党員集会で幕を開ける事実を考えれば、重要な動きだ。
トランプ自身、再選への意欲を強く示唆している。
バイデンの支持率が下がるなか、トランプがインフレ率や犯罪率の急上昇、終息しないコロナ危機、不法移民問題など、大半の有権者にとっての関心事を重視することを、共和党内の圧倒的多数は願っている。
そうなれば中間選挙で圧勝し、トランプの大統領選再出馬のいい足場固めになるとみているからだ。
トランプに近い筋によれば、再出馬の判断は中間選挙の結果次第だ。
「共和党が再び上下両院で多数派になったら踏み切る」と、ある情報提供者は本誌に語った。
だが、それはいい案なのか。共和党は答えを見つけようとしている。
現時点では大半の世論調査で、2024年大統領選でトランプとバイデンが再対決した場合、トランプへの支持が僅差で上回るとの結果が出ている。
しかし、まだ3年近く先のことだ。それまでに多くのことが変化し得る。
共和党は今のところ、大統領としての実績と再選後のビジョンに基づく選挙戦を展開すれば、トランプはバイデンだけでなく、どの民主党候補にも勝てると判断している。
<浮上してくるマイク・ペンス前副大統領>
だがトランプの影と再出馬説がちらつくせいで、共和党内では2024年大統領選への立候補の動きがフリーズ状態に陥っている。
トランプの動向にかかわらず立候補するとみられるのは現在、クリス・クリスティー前ニュージャージー州知事だけだ。
そうなると、必然的に浮上してくるのがマイク・ペンス前副大統領だ。
前回大統領選の結果を覆そうとしたトランプは、自身の求めに反して、選挙人投票の結果を議長役として議会で承認したペンスと対立した。
昨年1月に起きた連邦議会議事堂襲撃事件をめぐる下院の調査を、トランプは比較的無傷で切り抜けるとの見方から、筆者が話を聞いた共和党関係者は誰も、トランプ相手にペンスが勝利するチャンスがあるとは考えていない。
「(トランプの)支持基盤はあまりに大きく、あまりに忠実で、ペンスをあまり好きではない」と、世論調査会社トラファルガーグループの創設者、ロバート・カヘリーは言う。
今のところ強力な追い風を受けている共和党は、中間選挙は圧勝確実、2024年大統領選も手中にしたのも同然とみている。
敗北にこだわり続けずにはいられないせいで、再び敗北するのではないかと不安視される人物を、共和党は大統領候補に指名するのだろうか。
もっとも、指名しないわけにもいかなそうだが……。(Newseweek抜粋)
トランプとペンスが戦えば鎧袖一触
Newseweekではペンスが立候補するかもと書いてありますが、TNWはそうは考えていません。共和党内の支持率はトランプ氏約60%に対しペンスは8%。さすがにこの数字ではペンスは出られないでしょう。
仮に出たとしても、トランプ氏はペンスを鎧袖一触、ペンスは赤っ恥です。
世論調査の数字が明確に示しているように、共和党内でのトランプの支持は、民主党内でのバイデンの支持よりもはるかに強いのである。共和党員では、60%がトランプに2024年の大統領選に再出馬してほしいと回答している。一方、民主党ではバイデン氏の3年後の再出馬を望む人はわずか37%
トランプ氏のデータからは、ひとつの大きな要因が飛び出している。トランプ氏のデータを見ると、他の15人の挑戦者候補のうち、支持率が2桁になった者はおらず、2024年のトランプ氏は大きくリードしていることが分かる。
マイク・ペンス元副大統領が8%の支持率で最も近く、次いでフロリダ州知事のロン・デサンティス(6%)、元国連大使のニッキー・ヘイリー(5%)、テキサス州上院のテッド・クルーズ(3%)、ニューヨーク州議員のエリス・スタファニックとフロリダ州上院議員のマルコ(ともに2%)である。