妹からの着信画面を見つめる男性(相模原市で)
海底火山噴火の影響で、南太平洋の島嶼(とうしょ)国トンガの在留邦人との通信が困難な中、東京都町田市の男性(52)が、同国に住む妹(43)と衛星電話で連絡がとれた。元気そうな声に安堵(あんど)する一方、水道がない島で欠かせない雨水タンクに火山灰が降って使えず、生活に影響が出ていることを心配している。
噴火4日後の19日夕、男性のスマートフォンに、首都があるトンガタプ島の約300キロ北に位置するババウ島で暮らす妹から着信があった。「ババウの津波被害は大したことはない。家も壊れていないが、火山灰で雨水タンクの水も農作物も被害を受けた。備蓄分しか食料もない」と話したという。6分間の短い会話だった。
男性の妹は2016年、ラグビー選手だった元夫の母国トンガに移住。観光客向けの宿泊施設を営み子供2人と暮らしながら、小学校のトイレ修繕や日本へのラグビー留学支援などの活動も行っている。
現地は海底ケーブルが壊れ、一時国際電話が通じなかったという。この日は友人の英国人に借りた衛星電話でかけた。男性は「とりあえず元気そうでよかった」と胸をなで下ろし、「救援物資を近隣国から調達し、離島にも行き渡らせてほしい」と話す。
男性の妹の活動を支援するNPO法人「VFCP」(川崎市)は、新たな雨水タンクの設置や桟橋補修のための募金を始めた。問い合わせは団体ホームページへ。