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成嶋さんが殺害されたアパート周辺を調べる捜査員(2002年12月22日)
東京都足立区のアパートで2002年12月、住人の会社員成嶋健太郎さん(当時23歳)を殺害し現金などを奪ったとして、強盗殺人と住居侵入の罪に問われた川瀬直樹被告(50)の裁判員裁判の初公判が24日、東京地裁(佐伯恒治裁判長)であった。罪状認否で川瀬被告は「間違いないです」と述べ、起訴事実を認めた。
検察側は冒頭陳述で、川瀬被告は事件の数日前、一緒に暮らしていた父親の社員寮を出て公園で野宿を始めたが、寒さや空腹に耐えかねて強盗を思いついたと主張。現場となったアパートの各部屋の呼び鈴を順次鳴らし、玄関の戸を開けた成嶋さんを襲ったと述べた。奪った現金で食料品を購入するなどしたという。
これに対し、弁護側は、川瀬被告が事件から16年がたった18年12月に警視庁浅草署に出頭し、犯行について自ら話をしたことから、「自首が成立する」として、刑の減軽を主張した。
起訴状では、川瀬被告は02年12月21日頃、足立区のアパート2階の一室で、成嶋さんの頭や背中を刃物で切りつけた上、フライパンで殴るなどして殺害し、現金約1万円や商品券十数枚を奪うなどしたとしている。