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埼玉県・ふじみ野市で起きた立てこもり事件で、散弾銃で撃たれて人質となった医師の鈴木純一さん(44)は即死だったことが分かった。埼玉県警が、司法解剖の結果を明らかにした。
逮捕された無職の渡辺宏容疑者(66)は、29日朝、容疑を殺人未遂から殺人に切り替えて送検された。
調べによると、渡辺容疑者は、27日午後9時ごろ、ふじみ野市の自宅を訪れた医師の鈴木純一さん(44)を散弾銃で撃ったとされる。その後、およそ11時間に渡って、鈴木さんを人質にして立てこもり、28日午前8時ごろ、突入した捜査員らに取り押さえられ、緊急逮捕された。
鈴木さんは、室内で見つかった際、心肺停止の状態で、まもなく死亡が確認された。
渡辺容疑者の母親は、鈴木さんのクリニックの患者で、在宅診療を受けていた。母親は、事件の前日に死亡。母親の死亡をめぐって、渡辺容疑者と鈴木さんらは何らかのトラブルになっていたとみられる。
渡辺容疑者は、事件当日、鈴木さんのクリニック関係者7人を自宅に呼び出し、犯行に及んだとみられる。鈴木さんの他に、一緒にいた理学療法士の男性も撃たれて重傷を負い、介護士の男性は催涙スプレーをかけられてケガをした。
その後の調べで、渡辺容疑者が、散弾銃を複数回発砲し、鈴木さんは、至近距離から撃たれていたことが分かった。司法解剖の結果、渡辺さんは即死だったという。調べに対して渡辺容疑者は「母が死んでしまい自殺しようと思い、自分ひとりではなく先生らを殺そうと考えた」と供述しているという。
埼玉県警は、最初から、危害を加える目的で、鈴木さんらを呼び出した可能性もあるとみて、動機などを追及している。
社会部