岡山県教委が入る庁舎
岡山県立岡山操山高校(岡山市中区)で2012年、野球部マネジャーだった男子生徒(当時16歳)が自殺した問題で、県教育委員会は12日、両親と面談し、自殺原因となった同部の元監督の教諭が取った言動の背景などについて説明した。県教委は今後、さらに説明を重ね、両親の最終的な了承を得て正式に謝罪し、再発防止策を策定する方針。
男子生徒は11年に入学し、野球部に入部。2年生の7月に岡山市内で自殺しているのが見つかった。県教委は、教諭が「殺すぞ」と発言したり、男子生徒を1人グラウンドに残して叱責(しっせき)するなどしたりしたことが自殺原因と認め、昨年11月に停職3か月の懲戒処分とした。
両親はこれまで、教諭がこうした言動に至った理由や、学校や県教委による調査が遅れた原因などについて詳細な説明を求めてきた。
県教委と両親によると、面談で県教委側は、「教諭自身が野球部で同様の不適切な指導を受けた経験があり、それが正しいことだと考えていた」とし、学校の対応の遅れについては、「教諭が生徒の自殺の原因になるはずがないとの思い込みがあった」と説明したという。
また、両親が「軽すぎる」と指摘した処分結果については、再発防止策の策定のなかで懲戒基準の見直しを検討するとした。一方、当時の校長ら退職者からの両親への謝罪については、県教委としては対応出来ないと回答したという。
面談後、取材に応じた両親は「不十分な点もあるが、一定の説明はなされた。再発防止のためにも引き続き、県教委とやり取りを重ねていきたい」と述べた。