糸谷哲郎八段に敗れ、感想戦で対局を振り返る斎藤慎太郎八段=静岡市葵区の浮月楼で2022年3月3日午後9時47分、小出洋平撮影
第80期名人戦A級順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)9回戦が3日、静岡市葵区の浮月楼で一斉に行われた。すでに名人挑戦を決めていた斎藤慎太郎八段(28)は糸谷哲郎八段(33)に87手で敗れて8勝1敗となり、史上5人目の全勝挑戦はならなかった。渡辺明名人(37)との七番勝負第1局は4月6、7日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で行われる。
【豊島九段と力戦 斎藤八段が名人挑戦権】
終局後、斎藤は「今期は中盤まで集中して指すことができたが、最後の2局は集中力を欠いた。昨年の七番勝負でも本局でも課題があったので、一番いい状態で七番勝負に臨みたい」と語った。
斎藤は初挑戦を決めた前期の順位戦も8勝1敗だった。七番勝負は1勝4敗で敗れ、名人奪取はならなかったが、2期続けて好成績での挑戦となった。
8回戦を終えた段階で、B級1組への降級は2勝6敗の羽生善治九段(51)と1勝7敗の山崎隆之八段(41)の2人に決まっている。羽生のA級在籍は連続29期で止まり、山崎は1期で降級となった。B級1組からの昇級者2人は9日に決まる。同組ではここまで藤井聡太王将(19)が9勝2敗で首位、稲葉陽八段(33)と千田翔太七段(27)が8勝3敗で追っている。【山村英樹】