老朽化で解体も……全国に存在する巨大観音像 建立の理由と管理の難しさ


老朽化で解体も……全国に存在する巨大観音像 建立の理由と管理の難しさ

千葉県富津市にある東京湾観音(撮影:編集部)

オーナー夫婦の死去で廃墟化

老朽化で解体も……全国に存在する巨大観音像 建立の理由と管理の難しさ

淡路島の世界平和大観音(写真:Studio NST)

もともと観音像は、大阪で不動産業を営む男性が約35億円を投じ1982年に建てられた。当時は巨大仏像として日本一の高さを誇った。

男性は1988年に死去し、観音像を相続した妻も2006年に死去したため、20年に国の所有に変わった。21年6月から撤去工事がスタートしたが、解体費8億8000万円は国の負担だ。

地元地区の町内会長、五条勉氏が振り返る。観音像の台座部分は地上5階、地下1階で、レストランや博物館などがある観光施設だった。1日に2000人以上が訪れる時期もあったが、賑わったのは5年ほどだという。妻の死去後は相続する者がなく、観音像は閉館された。

施設は次第に廃墟化し、無断で侵入する者も出てきた。五条氏は「解体撤去が決まったときはひと安心だった」としつつ、こう続けた。

「オープン時は大勢の観光客が訪れ、神戸や大阪から見える淡路島のシンボルでした。ちょっと寂しい気持ちはあります」

すでに撤去された長崎の観音

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(図版:ラチカ)



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