昨年5月、首都高速道路で6人を死傷させる玉突き事故を起こし、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われている大型トラック運転手、降籏紗京被告(29)。この痛ましい事故に関する裁判が東京地裁で進む中、降籏被告が新たに児童ポルノ所持の罪で追起訴されていたことが明らかになり、世間に再び衝撃を与えています。また、公判では被害者遺族を逆撫でするような被告の無反省な態度が浮き彫りとなり、その動向に注目が集まっています。
携帯電話から発覚した児童ポルノ所持
降籏被告の携帯電話から児童ポルノが発見され、追起訴に至ったのは、7月24日に東京地裁で開かれた第2回公判でのことでした。事故後の警察による携帯電話の捜査で、多数のわいせつ動画や画像が見つかり、その中には「JC」(女子中学生)、「JS」(女子小学生)、「ショタ」(幼い男子)といった検索ワードを用いて収集されたとみられる児童ポルノ5点が含まれていたとされています。この事実は、交通事故の裁判とは直接関連しないものの、被告の人格や背景を巡る議論に新たな側面を加えています。
初公判で明らかになった衝撃の事実:不倫と獄中再婚
本件に関する裁判では、すでに初公判で複数の衝撃的な事実が明らかになっていました。降籏被告は事故発生の4日前から重度の風邪症状があったにもかかわらず、病院に行かずに運転を続けていました。さらに、当時不倫関係にあった女性とのLINEのやり取りを事故直前まで続けていたことも判明。検察側は、4日間で約500通ものメッセージが交わされ、最後のやり取りは事故のわずか30分前だったと指摘し、被告がLINEに夢中になり、十分な睡眠を取っていなかったことが事故の一因になったと主張しています。
首都高多重事故の犠牲者、船本宏史さんと杉平裕紀さんの写真。交通事故の悲劇を伝える遺族の心情を表す。
被害者遺族を逆撫でする被告の“無反省”な態度
さらに遺族を深く傷つけたのは、降籏被告が事故からわずか3カ月後に獄中で別の女性と再婚していた事実でした。しかし、第2回公判では、その再婚相手ともすでに離婚していたことが明かされました。
それ以上に傍聴人の多くを驚かせたのは、法廷で見せられた降籏被告の“無反省ぶり”です。被害者参加制度を利用して直接質問に立った亡くなった船本宏史さん、杉平裕紀さんの妻とのやり取りは以下の通りです。
船本さんの妻:「主人の名前をフルネームで言えますか」
降籏被告:「フルネームでは…」
船本さんの妻:「なぜ言えないのですか」
降籏被告:「すみません…、わかりません…」
また、被害者遺族への謝罪の言葉が見当たらなかった点について問われると、被告は「取り調べを受けていた時は、被害者に申し訳ないという気持ちよりも、なぜ自分が事故を起こしてしまったのかということばかり考えていて、謝罪ができていませんでした」と述べました。さらに、事故からわずか3カ月後の獄中再婚が遺族に与えた影響を問われると、「(遺族の)調書を読ませていただいて、大変つらい思いをさせてしまったと、今は思っています」と回答しました。これらの言葉は、遺族感情を逆撫でし、被告の責任感や反省の欠如を浮き彫りにするものでした。
今回の追起訴や、公判で明らかになった被告の言動は、単なる交通事故の範疇を超え、社会的な問題として広く議論されるべき課題を提起しています。遺族の深い悲しみと、被告の無反省な態度は、今後もこの裁判の行方に大きな注目を集めることでしょう。
参考文献
- 【独自】死亡事故で6人死傷の被告が児童ポルノ所持で追起訴! 初公判では「獄中再婚」も発覚、LINE愛人と500通もやりとり – Yahoo!ニュース(元記事:週刊新潮)