消息不明の観光船の捜索活動に向け、ウトロ漁港を出発する漁船(26日午前5時49分、北海道斜里町で)=佐々木紀明撮影
北海道・知床半島沖で26人乗りの観光船が消息を絶った事故で、安否が分からない15人の捜索には、同業他社の観光船業者や漁業者らが加わっており、観光船の男性船長(60)は、「自分たちの同業者が起こした事故。最後まで捜さなければ」と力を込めた。
安否不明者の捜索の準備をする漁業関係者ら(26日午前5時27分、北海道斜里町のウトロ漁港で)=佐々木紀明撮影
斜里町のウトロ漁港では26日午前5時半頃から、民間船が次々と捜索のために出港した。ウトロ漁協によると、観光船3隻、漁船8隻の乗組員計約100人が参加。小型観光船の地元業者でつくる知床小型観光船協議会は、28日~5月8日のゴールデンウィーク期間中、小型観光船の営業自粛を決めており、懸命の捜索を続けている。
連日捜索に加わる地元漁師らは、この日初めて陸地からも捜す方針だ。同漁協はクマよけの爆竹やスプレーを配布した。同漁協の深山和彦組合長(66)は「波が落ち着いたので、初めて沿岸付近を捜索できる。27日は天気が荒れそうなので、何とか手がかりをつかみたい」と語った。
漁師の男性(63)は「船が消息を絶った場所がわからず、魚群探知機を使っているが手がかりは見つかっていない」と難航する捜索の様子を語った。