
東京地裁が入る建物(今野顕撮影)
東京都武蔵野市で自治基本条例の原案を作った懇談会が地方自治法に抵触する疑いがある問題を受け、市民団体「武蔵野市の住民投票条例を考える会」が、松下玲子市長らに対し、懇談会のメンバーに支払った報酬を市に返還するよう求める住民訴訟を東京地裁に起こした。提訴は26日付。市民団体は3月に住民監査請求したが、市監査委員は「請求期間を過ぎている」として却下していた。
訴状によると、市は自治基本条例制定の際、条例案を検討する懇談会を設置した。地方自治法では、法律や条例に基づき設置されるべきものであるにも関わらず、市の内規である要綱にしか基づいておらず、メンバーに対する報酬の支出も違法だと指摘。設置当時の市長である邑上守正氏と松下氏に対し、懇談会メンバーに支払った218万円などを市に返還するよう求めている。
市は昨年、自治基本条例を根拠に、日本人と外国人を区別せずに投票権を認める住民投票条例の制定を目指した。ただ、市議会で条例案が否決され、当面の制定は見送られている。市民団体側は、今回の訴訟について「自治基本条例の制定手続きに法的な瑕疵(かし)が疑われることが問題だ」と主張している。