【歴史の交差点】安倍首相のイラン訪問 武蔵野大特任教授・山内昌之

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安倍首相と会談するハメネイ師=13日、テヘラン(ロイター)
安倍首相と会談するハメネイ師=13日、テヘラン(ロイター)

 好事魔多しとでも言うのだろうか。それとも、いきなり冷や水を浴びせられたと形容すべきなのだろうか。イラン訪問中の安倍晋三首相は、イラン首脳と対話を進めている折も折、日本の海運会社によって運航されるタンカーが正体不明の勢力から攻撃を受けて、日本の力の限界を感じたかもしれない。

 イランが海域支配権を及ぼすホルムズ海峡で起きた事件はとても偶然とは思えない。イランの最高指導者ハメネイ師は、安倍首相に核兵器開発をしないと明言する一方、米国との対話を拒否すると語った。また師は、日本を友好国と認めながら、遺憾な点もあると指摘している。

 タンカー事件とハメネイ師の発言に因果関係があるか否か、にわかに断定しがたいが、日本にとって大きな教訓を得たことだけは間違いない。それは、イランが親日国であるとか、安倍首相が個人的にイランに思い入れがあるという主観的な親イラン感情の評価とは別に、イランの指導者らは日本が米国最大の同盟国であることを正確に重視した事実である。

 ハメネイ師からもう少し色よい反応を期待したければ、日本政府はハメネイ師が国内の革命防衛隊や超保守派宗教エリートを説得できる「おみやげ」を持っていく必要があった。例えば、今年に入って日本など8カ国・地域に認めていたイラン原油の輸入を例外なく禁止した米国の決定に関係する。安倍首相はイラン原油の例外的輸入をトランプ米大統領に認めさせ、それをテコにテヘランを訪問していたなら、事態はもう少し違った様相を呈していたに違いない。

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