
ウクライナ国旗
ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍は30日、奪還作戦を本格化させたヘルソン州など南部で220回以上の砲撃を行い、T72戦車5両など露軍の装備60ユニットを破壊したと発表した。同州のヤヌシェビッチ知事は同日、同州を横切るドニエプル川に架かる主要な橋が破壊され、露軍は州都ヘルソンへの人員や物資の補給が不可能になったと指摘した。ウクライナメディアが伝えた。
【写真】攻撃により破壊されたウクライナ南部ミコライフ州の住宅
タス通信も同日、「ウクライナ軍の砲撃が7~8時間続いている」とする同州のロシア側占領当局幹部の証言を伝えた。米CNNテレビは同日、「米国は過去数カ月、南部の奪還を見据えた武器をウクライナに供与してきた」とする米当局者のコメントを報道した。
一方、ウクライナ軍は、露軍を有利にする恐れがあるとして、南部の奪還作戦の進展や詳細について公表しない方針を示している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は同日夜のビデオ声明で、「南部や東部ハリコフ州、ドネツク州など最前線全体で激しい戦闘が続いている」と指摘。しかしウクライナ軍が勇敢に露軍を食い止めているとし、前線部隊に感謝を表明した。
ゼレンスキー氏は30日、戦闘が激化している南部ザポロジエ原発を調査するためウクライナに到着した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と会談。露占拠下にある同原発からの露軍の撤収や、ウクライナによる同原発の管理回復に向け、IAEAに働きかけを求めた。