韓国外相、徴用工問題で原告と初の面会 「最善を尽くす」


韓国外相、徴用工問題で原告と初の面会 「最善を尽くす」

元徴用工訴訟原告の李春植さん(左)と会話を交わす韓国の朴振外相=2022年9月2日午後(代表撮影)

 朴氏が原告と直接、面会するのは初めて。韓国政府が、原告も含めた幅広い合意形成を目指しながら解決案を模索している姿勢を示す狙いもありそうだ。

 第二次大戦中に日本企業で働かされた韓国人の元徴用工らへの賠償を命じた判決は2018年、韓国大法院(最高裁)で確定した。敗訴した被告の日本企業は賠償に応じていない。裁判所は、韓国にある日本企業の資産を差し押さえて売却し原告への賠償に充てる「現金化」に向けた手続きを進めている。日本政府は現金化された場合は、報復措置に乗り出す構え。このため、韓国政府は日本企業の賠償金を一時的に肩代わりすることも視野に解決案を検討している。

 元徴用工の李春植(イチュンシク)さん(98)は「判決だけを受け取った状態だ。生きているうちに決着をつけてほしい」と語った。元女子勤労挺身(ていしん)隊の梁錦徳(ヤンクムドク)さん(91)は「日本が謝罪するより前には死んでも死にきれない。(被告企業の)三菱重工業は謝罪して、賠償金も払うべきだ」と述べた。

 朴氏は面会後、「被害者の立場を日本側にそのまま伝える。被害者の立場を最大限尊重しながら、合理的な問題解決に向けて努力する」と記者団に述べた。

 一方、聯合ニュースは1日、三菱重工業が韓国に所有する資産の売却命令を不服として行った再抗告について韓国最高裁が決定を先送りする見通しだと伝えた。担当判事が判断を下さないまま4日に任期満了を迎えるためだとしている。当初は最高裁が8月末にも売却命令を確定させるとの見方が出ていた。【光州(韓国南西部)坂口裕彦】



Source link