米シンクタンク、ウクライナ軍の反撃は目に見える形で進展を遂げている

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米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は4日、ウクライナ軍の反撃は南部と東部で検証可能なほど進展を遂げており「指揮系統や兵站への攻撃が反撃ペースを更に加速させるかもしれない」と発表した。

ウクライナの反撃で状況が悪くなったロシアは「事実上の降伏勧告」を突きつけ、特別軍事作戦が優位に進んでいるとアピールしたいのだろう

ゼレンスキー大統領が「南部と東部でロシア軍から拠点を奪還した」と発表したことや、VysokopillyaやOzerneの奪還が視覚的に確認されたことを受けてISWは4日、ウクライナ軍の反撃は南部と東部で検証可能なほど進展を遂げており「指揮系統や兵站への攻撃が反撃ペースを更に加速させるかもしれない」と発表した。

米シンクタンク、ウクライナ軍の反撃は目に見える形で進展を遂げている

出典:Кирило Тимошенко

ISWは「Vysokopillyaの奪回は一部のロシア人コミュニティで政府や軍への批判的な議論に発展している」と指摘しているものの、ロシア国防省は「ウクライナ軍の反撃や前進は失敗し続けている」と主張、ペスコフ大統領報道官も「特別軍事作戦は順調に推移している」と述べながら「この戦争を終結させるための条件を話し合う準備が出来ている」と明かしたため注目を集めている。

ただロシアが考える「戦争終結の条件」はゼレンスキー政権の退陣に加えドネツク州とルハンスク州の譲渡が含まれおり、ロシアは占領地域(ハルキウ州、ザポリージャ州、ヘルソン州)の統合も依然として諦めていないためISWは「これらの地域も永久に維持できることをモスクワは期待しており、ペスコフ報道官の発言は事実上の降伏勧告で、真剣に話し合いで戦いを終結させる意思はない」と指摘しているのが興味深い。

米シンクタンク、ウクライナ軍の反撃は目に見える形で進展を遂げている

出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0 ペスコフ大統領報道官

つまりウクライナの反撃で状況が悪くなったロシアは「事実上の降伏勧告」を突きつけることで「特別軍事作戦が優位に進んでいる」とアピールしたいのだろう。

ゼレンスキー大統領や軍は将兵に「作戦に関わる情報を漏らすな」と、メディアやインフルエンサーにも「憶測や今後の作戦予測について控えて欲しい」と要請しているため、戦況に関する情報は政府や軍の発表に制限されているものの「意図的な情報漏えい」による情報戦が行われているのは確実で、SNSに拡散された情報を政府や軍が後日追認するケースも珍しくない。

SNSで流通するヘルソンでの反撃を示す写真の中には捕虜になったロシア軍兵士の写真が多く、最も新しいアントノフスキー橋への攻撃を捉えた映像は「防空システムが作動しているだけ」というロシア軍伝統の発表を否定するのに効果的で、次から次と出ててくるTB2の攻撃シーンも「なぜ撃墜したはずのTB2がまだ空を飛んでいるのか(TB2撃墜を示す写真の幾つかは残骸を再利用した偽の写真だと言われている)」と疑問を投げかけるのに役立つ。

特に秘匿性の高いTelegramで流通する情報はロシア国内からでも閲覧可能なので、ウクライナの反撃に関する情報をロシア国民の目から遠ざけるのは不可能だ。

因みにウクライナ軍は2月24日時点で15機(推定)のTB2を保有していたが、193日間の戦いで14機撃墜が視覚的に確認されている。

米シンクタンク、ウクライナ軍の反撃は目に見える形で進展を遂げている

出典:Ministry of Defence of Ukraine / CC BY 4.0

しかしレズニコフ国防相は6月末に「侵攻以降に配備されたTB2の数は50機に達し、7月中に追加のTB2が幾つか届く予定で、BAYKARと数十機の追加購入について交渉中だ」と明かし、BAYKARもTB2の製造能力について「月産20機=年間240機」で3年先まで予約で埋まっていると証言しているため、ウクライナ軍は相当数のTB2を発注済みでBAYKARもウクライナへの引き渡しを優先している可能性が高い。

勿論、中高度を飛行するTB2を対地攻撃に投入するにはロシア軍の防空網に穴を開けなければならないが、AGM-88HARMが投入されたことでロシア軍の防空システムはレーダー運用に制限を受けている可能性が高く、運用が制限された防空システムは逆にTB2に駆られる存在になり、Su-25やヘリの運用範囲を広げるのに役立っているだろう。

米シンクタンク、ウクライナ軍の反撃は目に見える形で進展を遂げている

出典:Karel Šubrt / CC BY-SA 4.0 MAM-L

まぁ50機ものTB2を一度に運用できるのかは不明だが、MAMを最大4発を搭載するTB2を10機飛ばせばISR任務のついでに40の目標を必要に応じて破壊することが出来るので、頭上の保護を失いかけているロシア軍の地上部隊にすれば恐ろしい存在の再来だ。

注意:ウクライナ軍の反撃でTB2が主役を演じているという意味ではないので注意してほしい。飽くまで他の要素(砲兵戦力の活躍やHARMの投入など)との兼ね合いでTB2を対地攻撃に投入できる環境が整い、相応の働きを見せているだけで、無敵の存在でもなく有人機にとって変わる存在でもない。

米シンクタンク、ウクライナ軍の反撃は目に見える形で進展を遂げている

出典:Генеральний штаб ЗСУ

追記:ヘルソン州北岸でロシア軍が実施するUAVを使用したISR任務の回数(8月の1日平均50回→今月4日は27回)が減っているという報告があり、損耗が激しいOrlan-10の補充が追いつかなくなっている可能性が指摘されている。

地上部隊がOrlan-10を用いて実施する戦術レベルの偵察が減るということは戦場認識力が低下するという意味なので、ヘルソン州北岸で戦うロシア軍部隊の状況は本当に追い込まれているのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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