地下駐車場の昼の様子 [写真 慶尚北道消防本部]
浸水したマンションの地下駐車場で7人が行方不明になり、一部が救助された中で車をあきらめたある入居者の瞬間的な判断が目を引いた。
【写真】浸水地下駐車場で救助された30代男性
事故が起きた慶北浦項市南区(キョンブク・ポハンシ・ナムグ)のあるマンション団地の婦女会長Bさんは6日、中央日報との電話インタビューで「わが家族も朝に管理事務所の放送を聞いた」として「窓の外を見るとすでに地上にも近隣河川が氾濫し、相当浸水した状況だった」と当時の状況を伝えた。また、「私たちも地下駐車場に車を駐車しておいたが、夫に『車をあきらめよう』と言った」と話した。危険状況に見えてややもすれば命を失いかねないという判断からだ。同日、マンションの管理事務所は午前6時から数回にわたって地下駐車場の出車に関する案内放送を行った。
事故現場ではこの日、一日中消防当局の救助作業が続いた。マンションの住民たちは行方不明者家族の悲しみを分かち合い、行方不明者の無事帰還を祈った。Bさんは「(断電・断水で)直ちに電気と水もなく家に留まるしかないが、このような状況より地下駐車場の捜索作業を見た方が心苦しい」と話した。また、「停電・断水状況が持続すれば長期戦に備えて適当な宿舎を探し、家族とともに住居を移すしかないようだ」と話した。
地下駐車場は地上の建築物とは違い、出入口が限られて排水装備があっても排水量より多くの雨が降れば浸水を防ぐことができない。
また、地下駐車場は浸水時に流速が非常に速くなり、避難が容易ではない。防災管理研究センターによると、地上の浸水水位が60センチの状況で、地下空間は5分40秒で水位が75~90センチに達することが分かった。