(写真:読売新聞)
17日、ロンドンのウェストミンスター宮殿に安置されたエリザベス女王のひつぎのそばに立つウィリアム皇太子(中央)ら(ロイター)。ひつぎは19日朝まで安置される予定
【ロンドン=工藤彩香】エリザベス女王の遺体を納めたひつぎは19日夜、ロンドン郊外の女王の居城ウィンザー城内にある聖ジョージ礼拝堂に埋葬される。
聖ジョージ礼拝堂は英王室のために造られた教会で、英国最高の栄誉であるガーター勲章の授与式や、王族の結婚式などが行われる。2018年には、女王の孫ヘンリー王子と米女優メーガン妃の結婚式が挙げられた。ほとんどの歴代国王のひつぎも礼拝堂内に埋葬されている。
埋葬に先立ち、19日午後4時から礼拝堂内で追悼礼拝が行われる。チャールズ国王ら王室一家のほか、トラス英首相ら英連邦の首脳が参列し、ウィンザー主席司祭が礼拝を執り行う。その後、女王専属のバグパイプ奏者が哀歌を演奏し、ひつぎは礼拝堂地下の「王室納棺堂」に下ろされる。
礼拝後、ひつぎは礼拝堂内の一角にある「国王ジョージ6世記念礼拝堂」に移され、家族が見守るなか、昨年4月に死去した夫のフィリップ殿下の隣に埋葬される。フィリップ殿下のひつぎは王室納棺堂に一時保管されていたが、女王の埋葬に伴い記念礼拝堂に移される。女王のひつぎの上の床には「エリザベス2世 1926~2022」と金文字で彫られた黒い石板が埋め込まれる。
英デイリー・メール(電子版)によると、記念礼拝堂は、王室納棺堂に埋葬されることを望まなかった女王の父ジョージ6世(1952年に死去)のため、女王が私費で増築させた。ジョージ6世のひつぎは1969年に記念礼拝堂に移された。女王の母エリザベス皇太后のひつぎと、妹のマーガレット王女(いずれも2002年に死去)の遺灰もここに安置されている。女王は、愛する家族に囲まれて永遠の眠りにつく。