【ロンドン=板東和正】米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が2日、世界全体で累計100万人を超えた。3月26日に50万人を上回ってから1週間で倍増した。ウイルスは世界中で猛威を振るっており、早期に収束する兆しは見えない。
同大の集計では、米国の感染者数が24万人以上と最も多い。3日には、世界全体の感染者の累計が103万人に迫り、国別でスペインがイタリアを抜いて、11万7千人を超えた。両国の死者は共に1万人を超えている。世界全体の死者は5万4千人に近づいた。
一方、各国が検査能力の増強に乗り出したことも、感染者数の増加に反映されているとの見方がある。フランスが3月28日、1日当たりの検査態勢を10倍以上に増やすと発表したほか、ドイツは週50万件のペースで検査を実施している。
感染拡大は世界の雇用や経済にも深刻な打撃を与え始めている。米議会予算局は2日、4~6月期の米国の失業率が10%を超えるとの予測を発表した。感染が深刻化する前の2月は3・5%だった。米国内総生産(GDP)は同時期に、前期比の年率換算で28%減に落ち込む見込みで、マイナス成長は「さらに大幅悪化する可能性がある」という。