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ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所の男性職員が、本紙のオンライン取材に応じた。職員は「露軍兵士との摩擦が激しく、神経がすり減った」と、露軍管理下の厳しい実態を語った。
(写真:読売新聞)
職員は30歳代で、原子炉の温度管理を担当する技術者だ。原発がある人口約5万人の町エネルホダルで家族と暮らしていた。
露軍が原発を制圧したのは3月4日。「市街地に戦車を展開し、攻撃しながら敷地内に踏み込んできた」。原発には重火器を持ち込み、検問所を設置して出入りを厳重管理した。兵士は職員に笑顔を見せたが、職員は無視した。「無言の抵抗だった」。兵士は職員を殴るなど横柄になり、原発内は不穏な空気が立ちこめた。
8月に市街地で砲撃が激しくなると、職員は危険を感じ、妻と幼い子ども3人と市外に避難した。
男性職員は、原発があるエネルホダルの住民が「5月頃から砲撃におびえる夜を過ごすようになった」と振り返った。ロシアによるウクライナ侵略から7か月。人的被害への恐怖に加え、原発が破壊された場合の甚大な被害に対する底知れぬ不安がぬぐえない日々が続いている。
「原発方面から『シュッ』という発射音が聞こえ、5秒ほどした後にドニプロ川を挟んだ対岸の町ニコポリなどの方角から、『ドーン』という爆発音が上がるのです」
ザポリージャ原発の近くで警備にあたるロシア側の兵士=ロイター
男性は何度も繰り返し聞いた音への恐怖を語った。
不安を抱えながらも、原発での勤務は続けた。7月頃、原発施設の外に置かれていた砲弾などを、ロシア兵が原子炉近くのエンジン室に運び込む姿を見かけ、衝撃を受けた。エンジン室には可燃性物質が大量に保管されているからだ。ドアの前には兵士が立ち、職員の立ち入りを制限した。
「露軍はエンジン室を武器庫にすれば、反撃に遭うことはないと考えているのだろう」。原発を盾とする露軍のやり方に、男性は背筋が凍る思いがした。
ロシアの影響を受ける地元テレビは、「ウクライナ軍による原発攻撃」を盛んに報じるようになった。原発に入る際の検問では、露軍兵から「砲撃はウクライナ軍によるものだぞ」と言いがかりをつけられ、露軍の圧力を強く感じた。
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