ロシアのミサイル攻撃に備えて地下鉄構内に避難するハルキウの市民ら(10日)=AP
【キーウ=川上大介】ウクライナ国営通信などによると、首都キーウで10日朝、同市内の2地区に露軍のミサイルが着弾し、30人以上が負傷した。8人が死亡したとの情報もある。ウクライナ当局は、博物館や子供の遊び場が攻撃を受けたと説明している。同市は、地下鉄の運行を停止し、市民らに地下シェルターなどへ避難を求めた。
【表】一目でわかる…ロシアの戦力はウクライナを圧倒している
10日朝には、ウクライナの東部や西部の主要都市など各地で露軍の攻撃が相次いだ。東部ハルキウでは、電力関連施設に複数発のミサイルが撃ち込まれ、同市内で停電が発生。東部ドニプロペトロウシク州でも露軍のミサイル攻撃があり、死傷者が出ているとの情報がある。
西部リビウ州では、露軍が約15発のミサイルで攻撃したとされる。一部はウクライナ軍が防空システムで撃墜したものの、州都リビウで電力や温水の供給が停止したという。
ウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター
このほか、キーウの西方ジトーミル州、ウクライナ西部フメリニツキー州でも爆発音が響いたという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日朝、自身のSNSの投稿で、「ウクライナ全土で空襲警報が止まらない。ミサイルが着弾している。持ちこたえてほしい」と国民に呼びかけた。
プーチン露大統領は9日、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島と露本土をつなぐ「クリミア大橋」で8日に発生した爆発に関し、「ウクライナの情報機関によるテロ行為」との認識を示した。ウクライナ各地への攻撃は、大橋の爆発を受けたものの可能性がある。
露軍の激しい攻撃が続いている南部ザポリージャ州の州都ザポリージャでは、10日未明にも露軍が住宅地を攻撃し、少なくとも1人が死亡した。