ロシア軍の攻撃を受けて破壊されたキーウ市中心部の住宅=23日(黒川信雄撮影)
ロシア政府系メディア「RT」は25日までに、自身が司会を務めるテレビ番組で、ウクライナの子供は溺死か焼死させるべきだったとする趣旨の不適切な発言をしたとして、ディレクターのクラソフスキー氏を解任したと発表した。同氏は後に発言を撤回し、謝罪した。タス通信によると、露捜査当局は発言の違法性について捜査を開始した。
【写真】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたとするロシア軍陣地
プーチン政権はウクライナでの軍事作戦について「米欧と結びつき反露政策を進めたウクライナのネオナチを排除する」との目標を掲げて開始。建前上、ウクライナの一般国民は攻撃対象外だと主張してきた。実際は露軍に協力しない住民も「ネオナチ」として殺害や拷問をしているとされるものの、クラソフスキー氏の発言はロシアの公式的な立場と一致せず、解任されたものとみられる。
クラソフスキー氏は20日、番組内で露男性作家と対談。男性作家が旧ソ連時代にウクライナを訪問した際、「現地の子供が『ウクライナはロシアに占領されている』と話していた」と語ったことに対し、「そういう子供は川で溺死させるべきだった」「小屋にほうり込み、火を放つ方法もあった」などと述べた。