ロシアの宇宙ごみ接近、国際宇宙ステーションが回避行動 NASA発表


ロシアの宇宙ごみ接近、国際宇宙ステーションが回避行動 NASA発表

ロシアの宇宙船「ソユーズMS―19」から撮影された国際宇宙ステーション(ISS)

NASAの24日の発表によると、ISSはロシアの衛星「コスモス1408」の断片をよけるため、5分5秒のスラスター噴射を行った。同衛星は昨年11月にロシアが実施した兵器実験で破壊していた。

軌道を周回する衛星の激増や、各国政府による意図的な破壊で生じる宇宙ごみの氾濫(はんらん)については、NASAが以前から警鐘を鳴らしていた。

今回のスラスター噴射は米東部標準時の24日午後8時25分に実施。ISSの運航に支障はなかった。回避行動を行わなければ、破片がISSから約4.8キロ以内の距離を通過する可能性があったとしている。

この燃焼により、ISSの高度は0.3キロほど上昇した。

既に使われていなかったコスモス1408は、昨年11月15日に破壊され、追跡可能な断片だけでも約1500片の宇宙ごみを発生させていた。

米宇宙軍は、ロシアが「直接上昇対衛星(DA―ASAT)ミサイル」の実験を実施したと述べ、「無謀かつ危険な行為」として非難。「国際的な利益を危険にさらす行為は容認しない」と強調していた。

ISSは今年6月にも、対衛星実験で生じた宇宙ごみをよけるため、同様の回避行動を取っていた。1月にはその実験で生じた残骸の断片が中国の衛星の至近距離に接近し、中国政府が「極めて危険」と指摘していた。



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