
10月31日、トルコ・イスタンブール沖で、ウクライナの穀物を運ぶ船(AFP時事)
【パリ=梁田真樹子】ウクライナが黒海経由で穀物の輸出を再開したことを巡り、ロシア国防省は10月31日、ウクライナ産穀物の海上輸送に関する合意の履行をロシアが停止した中での輸出再開は「容認できない」と反発する声明を発表した。
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国連やトルコを交えた7月の合意に基づき設定された「穀物回廊」について、プーチン露大統領は10月31日、露南部ソチで開いた記者会見で「ウクライナは回廊を航行する船舶が脅威をもたらさないことを保証しなければならない」と述べ、履行停止を正当化した。
ロシアは同29日、露海軍黒海艦隊の艦艇などがウクライナ軍から「テロ攻撃」を受けたとして合意履行の停止を表明した。30日にはウクライナ南部で貨物船が足止めされたが、同国政府は31日、南部オデーサなどからの出港を発表していた。
プーチン氏は、露軍による31日のウクライナ全土への攻撃は、露海軍艦艇などに対する攻撃への「報復の面もある」と述べ、「あれが全てではない」としてウクライナをけん制した。
これに対し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は31日、自身のツイッターで「我々は世界の食糧安全保障を守り続ける用意がある」と輸出を続ける姿勢を強調した。