【ソウル=時吉達也】日本人2人を含む156人が死亡したソウルの雑踏事故で、韓国警察当局トップの尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長官が事故を認知したのは、発生から約2時間経過した後だったことが分かった。韓国メディアが3日までに伝えた。当時すでに数十人が心停止状態と報じられており、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が消防当局を通じ報告を受けた時点からも1時間以上後だった。
警察当局の監察チームなどによる調査で、事故発生前の緊急通報への警察対応が不十分だった実態も判明。警察当局の「報告・指揮体系の崩壊」(聯合ニュース)が明らかになったことで、責任追及の声が一層高まるのは必至だ。
事故は10月29日午後10時15分ごろ発生。尹長官が事故を知ったのは、尹大統領が同11時1分に報告を受けてから73分後の30日午前0時14分だった。尹長官は報告を受けた後、発生から4時間以上が経過した同2時半に出勤し会議を開いたが、消防の集計ではこの時点で59人が死亡していた。
監察チームは3日、上層部への速やかな報告を怠ったとして、現場を管轄する竜山(ヨンサン)警察署長ら幹部2人に対する捜査を、警察内の特別捜査本部に依頼。監察調査から捜査に転換し、原因究明を加速させる。特捜本部はすでに同署などへの家宅捜索を実施し、現場での勤務怠慢の有無などについても調べている。
韓国政府は3日、死者のうち韓国人121人が葬儀を終え、外国人7人が本国に送還されたと発表した。