(CNN) 米国のバイデン政権は6日までに、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請している北欧フィンランドに対し5億3500万米ドル(約786億円)相当に達するとみられる誘導型多連装ロケット発射システムの売却を承認した。
米国務省が発表した。欧州の政治的安定や経済的な進展を図る上で重要な力であり信頼し得るパートナー国の安全保障を高めることは、米国の外交政策や国家安全保障を支えることになると強調した。
同省は売却承認の発表文で、フィンランドの強力かつ迅速な対応が可能な自衛能力の開発や維持を支援することは米国の国家権益にとって重要な意味を持つとも説いた。
フィンランドはロシアによるウクライナ侵攻を受けてNATO加入を申請。手続き的には現在、加盟国のトルコとハンガリーの承認待ちの段階となっている。
フィンランドのロシアとの国境線は約1287キロの長さに及ぶ。米国務省は、フィンランドは欧州の北部地域で国土防衛や防空能力の向上を図る意図があると指摘。欧州内の安保状況の悪化を考えればフィンランドの国家防衛の資産の強化は同国の抑止力などの確保にとって決定的な重要性を持つとした。