プーチン大統領がロシア軍の近代化中止を指示、リソースを消耗戦に集中投入

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ロシアはT-14やSu-57など軍近代化計画に10年間で約20兆ルーブルを投じてきたが、プーチン大統領は本計画を中断して「限られたリソースを特別軍事作戦が真に必要とする装備や物資に集中投入しろ」と指示した。

ウクライナとの戦いに複雑で高度な兵器は必要なく、防衛産業の構造を消耗戦に対応させてくるという意味

プーチン大統領は今月10日、ミシュスチン首相とショイグ国防相に「特別軍事作戦が真に必要とする補給ニーズ対応に対応した計画を14日までに提出しろ」と命じていたが、どうやらプーチンの指示は過去10年間で約20兆ルーブルを投じてきた軍の近代化計画「国家兵器開発プログラム(Российская государственная программа развития вооружений=ГПВ)」の中止を意味しているらしい。

プーチン大統領がロシア軍の近代化中止を指示、リソースを消耗戦に集中投入

出典:Vitaly V. Kuzmin/CC BY-SA 4.0 T-14

メドヴェージェフ元大統領が2010年末に導入した「国家兵器開発プログラム」は最終的に、T-14を装備する師団創設など2,300輌もの装甲戦闘車輌、ボレイ型原子力潜水艦、ヤーセン型原子力潜水艦などを含む100隻の艦艇調達、Su-57、Su-35、Mi-28N/NM、Ka-52などを含む1,700機の航空機調達、S-500やS-400など70の防空システム調達、イスカンデルを含む2,000の砲兵装備、250発以上の新型ICBM調達などを目標にしており、ロシアは本計画に基づき国防予算を分配(年間2兆ルーブル)してきた。

しかしプーチン大統領の指示が出ると国防省や防衛産業界の関係者は「ウクライナでのニーズを優先するため国家兵器開発プログラムは国防予算の配分を左右する文書ではなくなった」と現地メディアに明かしており、ロシアはT-14やSu-57といった最新兵器の調達を中断、ウクライナで役立つ兵器や物資の調達に資金や生産能力を集中させるらしい。

プーチン大統領がロシア軍の近代化中止を指示、リソースを消耗戦に集中投入

出典:Андрей Гурулев/депутат Государственной Думы

要するにウクライナとの戦いに複雑で高度な兵器(そもそも制裁の影響で製造が難しく数が揃わない)は必要ないため、保管してあった装甲戦闘車輌のオーバーホールや砲兵装備向けの砲弾生産などを優先する=防衛産業の構造を消耗戦に対応させてくるという意味だ。

本質的にロシア軍は旧ソ連時代と同じ「兵士の損害を顧みず大群で蹂躙する大衆軍」なのでT-14やSu-57よりも小銃と砲弾を必要としており、この伝統的な戦術で現在の戦況を覆すことができるのかは謎だが、あるアナリストは「西側とロシアでは航空作戦に対する戦闘教義が根本的に異なり、ロシアは航空機を空飛ぶ大砲=地上部隊の付属物として見なしているため大規模で複雑な航空作戦より少数によるシンプルな航空作戦を好む」と述べている。

プーチン大統領がロシア軍の近代化中止を指示、リソースを消耗戦に集中投入

出典:Dmitry Terekhov/CC BY-SA 2.0

果たしてロシア軍は量でウクライナ軍を押し切れるのだろうか、それともウクライナ軍は質でロシア軍を跳ね返すのだろうか、軍事的な側面から見ると非常に興味深いテーマだ。

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※アイキャッチ画像の出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0

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