ポーランドが遂にウクライナ批判、築き上げた関係を台無しにする気か?

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ウクライナ軍の誤射に関する問題でポーランド世論は寛容さを示してきたが、ゼレンスキー大統領はヴォルヒニア虐殺でポーランド人を怒らせた元駐独大使を外務副大臣に起用したため、遂にポーランドメディアがウクライナ批判を開始した。

ブラスザック国防相もこの決定に喜んでいるのは本人とクレムリンだけだろうと批判

ウクライナ軍の誤射で自国民が死亡しても、明確な証拠もない状態でゼレンスキー大統領が「ロシアのミサイル攻撃だ」と誤った発言しても、未だにウクライナ軍のミスを認めなくてもポーランド世論は寛容さを示してきたが、ヴォルヒニア虐殺についてポーランド人を怒らせた元駐独ウクライナ大使をゼレンスキー大統領が外務副大臣に起用したため、ポーランドメディアは「2月以降に両国が築き上げたものを台無しにする気か?」と激しく怒っている。

ポーランドが遂にウクライナ批判、築き上げた関係を台無しにする気か?

出典:Sandro Halank/CC BY-SA 4.0

ウクライナ外務副大臣に任命されたアンドリー・メルニク氏は7月まで駐独ウクライナ大使を務めていた人物で、第二次大戦のヴォルヒニアで発生したポーランド人の虐殺(50,000人~100,000人/諸説あり)に関するウクライナ人の責任について「第二共和国時代にウクライナ人も想像絶するような迫害を受けたため、当時のウクライナ人とってポーランドはナチスドイツやソ連と同じ敵だった」と述べた上で「ポーランド人虐殺が事実である」と認めだが、同じ様なことポーランド人もウクライナ人にもやったと主張した。

メルニク氏が言及したのは第二次大戦後、ポーランド南東部に住むウクライナ系住民の強制移住=ヴィスワ作戦のことで、この過程でウクライナ系住民の知識層や聖職者は強制収容所に送られ暴行と虐待が行われ、見せしめの処刑も行われたため2,000人~3,000人前後の犠牲者が出たと言われており、2016年にウクライナ最高議会は「ポーランドのジェノサイドで犠牲になったウクライナ人を記憶する決議案」が提出されるなど両国関係を度々悪化させてきた問題だ。

ポーランドが遂にウクライナ批判、築き上げた関係を台無しにする気か?

出典:Public Domain ヴォルヒニアの虐殺

この発言は当然ポーランド側を刺激したためゼレンスキー大統領は「通常の交代だ」と説明してメルニク氏を駐独ウクライナ大使から解任したが、今月19日にメルニク氏がウクライナ外務副大臣に任命されたため与党PiSのフォギール報道官が「これは不幸な出来事でウクライナはポーランドの敏感な問題にもっと配慮すべきだ」と発言、通常は副大臣クラスの人事に政府が声明を出す慣例はないが「本件について複数の外交チャネルを通じてウクライナ側にポーランドの懸念を伝えていく」と述べて注目を集めていた。

ポーランドのドゥダ大統領はウクライナ軍の誤射に関するゼレンスキー大統領の判断ミスについて「感情的には理解できる」と擁護し続け、本件についても「これはウクライナの主権に基づいた決定で、政府としてウクライナの外務副大臣人事に抗議するつもりはない」と語ったが、流石に現地メディアは黙っていない。

ポーランドが遂にウクライナ批判、築き上げた関係を台無しにする気か?

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

最も手厳しく批判しているwpolityceは「今回の人事は『国内向け』に計算されたものだろと思われるが、果たして現在のウクライナに今回の人事が必要なのか?メルニク氏の言動は粗暴で味方を侮辱することもためらわず、ポーランドにもヴォルヒニアでの大虐殺で嘘を吐いた。それだけに今回の人事はポーランド国民の間で驚きをもって受け止められており、メルニク氏の外務副大臣起用は『何ヶ月もかけて築き上げてきた関係』を一瞬で粉々にする外交爆弾だ」と批判している。

さらに副首相を兼任するブラスザック国防相も「個人的にメルニク氏の外務副大臣起用は良くない」と言及して「この決定に喜んでいるのは本人とクレムリンだけだろう」と述べており、このまま問題を放置すればポーランド国民のウクライナに対する感情は確実に悪化するだろう。

ポーランドが遂にウクライナ批判、築き上げた関係を台無しにする気か?

出典:Polish Ministry of National Defense

勿論、ウクライナの閣僚人事にポーランドが口を挟む権利はないのだが、相当量の武器支援と難民(150万人~200万人)の受け入れでウクライナを支援しているポーランドを「今」刺激する必要があったのかは理解に苦しむ。

因みにウクライナの主要メディア(管理人が目を通してる範囲)はメルニク氏の外務副大臣就任やポーランド世論の反発、ポーランド検察庁がウクライナ人専門家の現地調査に同意しなかったニュースもスルーしており、最近のウクライナとポーランドの関係はちょっと変だ。

ウクライナの外務副大臣人事にポーランドが反発、不幸な出来事でもっと配慮すべき
ポーランド、ウクライナ人専門家による爆発現場での調査を許可してない

 

※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE

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