ロシア、2023年度予算の約1/3に相当する21.8兆円を安全保障分野に配分

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ロシア政府はウクライナとの戦争に必要な資金を確保するため2023年度予算の約1/3に相当する計9.4兆ルーブル(約21.8兆円)を安全保障分野に配分、逆にインフラ整備、研究開発、農業、教育、医療といった分野への支出は大幅に削減される。

長期的に問題が生じても国家の最優先事項が「ウクライナとの戦いに勝利すること」に設定されているのでロシアにとっては問題ないのだろう

プーチン大統領は今月10日、ミシュスチン首相とショイグ国防相に「特別軍事作戦が真に必要とする補給ニーズ対応に対応した計画を14日までに提出しろ」と命じていたが、どうやらロシアは過去10年間で約20兆ルーブルを投じてきた軍の近代化計画「国家兵器開発プログラム(Российская государственная программа развития вооружений=ГПВ)」の中止したらしい。

ロシア、2023年度予算の約1/3に相当する21.8兆円を安全保障分野に配分

出典:Vitaly V. Kuzmin/CC BY-SA 4.0 T-14

メドヴェージェフ元大統領が導入した「国家兵器開発プログラム」の目的はT-14、Su-57、Su-35、イスカンデル、新型ICBMといった兵器でロシア軍を近代化することにあり、ロシアは本計画に基づき国防予算を分配(年間2兆ルーブル)してきたが、これを中止してウクライナで役立つ兵器や物資の調達=制裁の影響で数が揃わない高度な兵器ではなく、保管してあった装甲戦闘車輌のオーバーホールや砲兵装備向けの砲弾生産などを優先しろという意味だ。

もっとシンプルに言えば量産に時間と手間のかかる複雑な兵器ではなく「消耗戦向きの量産が容易な兵器を集中して開発・製造できるよう防衛産業の構造を変更しろ」という意味だが、ロシア政府はウクライナとの戦争に必要な資金を確保するためインフラ整備、研究開発、農業、教育、医療といった分野への支出を大幅に削減、2023年度予算の約1/3に相当する計9.4兆ルーブル(約21.8兆円)を安全保障分野に配分したとロイターが報じている。

ロシア、2023年度予算の約1/3に相当する21.8兆円を安全保障分野に配分

出典:kremlin.ru/CC BY 4.0 ロシア国家親衛隊

特に国家親衛隊、保安庁、検察庁、刑務所など国内治安部門に4.42兆ルーブル(2022年度と比較して50.1%増)も予算を配分しているので国内情勢の不安定化に対応した措置かもしれないが、内務省直轄の国内軍を改編してプーチン大統領が2016年に創設した国家親衛隊は連邦軍の指揮系統から独立した「大統領直轄の作戦部隊」で、特別軍事作戦にも派遣されているため「国家親衛隊の戦力拡張」を狙っているのかもしれない。

ロイターは「西側の市場や技術から遮断されたロシアにとってインフラ整備や研究開発への予算削減は重大な問題を引き起こす」と指摘しているが、長期的に問題が生じても国家の最優先事項が「ウクライナとの戦いに勝利すること」に設定されているのでロシアにとっては問題ないのだろう。

ロシア、2023年度予算の約1/3に相当する21.8兆円を安全保障分野に配分

出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0

因みに教育分野への支出は削減されるものの現代や歴史的な出来事に対するロシアの史観を強化するため「愛国心教育」の予算だけは大幅に増加(2022年と比較して513%増)する。

プーチン大統領がロシア軍の近代化中止を指示、リソースを消耗戦に集中投入

 

※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru/CC BY 4.0

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