ポーランドのドゥダ大統領が「ウクライナの穀物輸出を巡る問題」について興味深い発言をしました。「あらゆるもにしがみつく溺れた人間のようにウクライナは振る舞っている。我々はウクライナを助けても、我々に危害が及ばないよう自衛する権利がある」と述べたのです。
この利害調整を丸く収めるためには欧州を経由せず遠方の市場にウクライナ産穀物を輸出するしかない
経済や農業の専門的な話題は難しいですが、「ウクライナの穀物輸出」が引き起こす問題を上手く説明してみましょう。ウクライナは世界有数の穀物輸出国で、エジプトやパキスタンなどの非欧州市場に小麦などを供給してきました。しかし、ロシア軍の侵攻により黒海経由の海上輸送がストップし、国連の仲介による黒海封鎖の解除も一部の海上輸送しか提供できなかったため、ウクライナ産穀物(小麦、トウモロコシ、菜種、ヒマワリ種など)はEU加盟国であるブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアに流れ込むことになりました。
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当初、これらの国々は「ウクライナ産穀物は欧州市場から国際市場へ移行する」と予想していましたが、安価なウクライナ産穀物が欧州市場の価格を猛烈に下げる結果になり、加盟国の生産者たちは「ウクライナ産穀物のせいで経済的な被害を受けた」と激しく抗議しました。そのため、これらの国々は独自にウクライナ産穀物の国境通過をブロックし、問題が浮上しました。しかし、EUがウクライナ産小麦、トウモロコシ、菜種、ヒマワリ種の輸入禁止を課したことで、問題は収束しました。
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しかし、ロシアは穀物協定の延長を拒否し、ウクライナの港であるオデーサ港、チョルノモルスク港、イズマイル港を集中的に攻撃しました。この攻撃により甚大な被害が発生し、ウクライナは貴重な外貨を稼ぐ穀物輸出がほぼ不可能になりました。ウクライナは穀物輸出の禁止撤廃を求め、EUは禁止措置の解除を決定しました。しかし、ハンガリー、ポーランド、スロバキアは再び独自の輸入禁止措置を導入し、ウクライナはWTOに提訴する事態に発展しました。
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この問題はニューヨークで開催されている国連総会でも話題となっています。ドゥダ大統領は「あらゆるもにしがみつく溺れた人間のようにウクライナは振る舞っている。我々はウクライナを助けても、我々に危害が及ばないよう自衛する権利がある。我々の利益を守れるのは我々だけで、私は断固としてその利益を守る」と述べています。ウクライナメディアも「ドゥダ大統領が我々のことを“溺れる者は藁をも掴む”と例えた」と報じています。
ウクライナの穀物収穫量は予想を上回り、約5,640万トンに達しました(前年比5%増、約2,300万トンが脱穀済み)。しかし、細々と行われる海上輸送では追いつかず、このままでは農民や国家に経済的なダメージを与える可能性があります。そのため、ウクライナのゼレンスキー大統領も穀物輸出のルート確保に必死です。しかし、欧州に穀物を輸出すると、以前に支援していた国々と対立することになります。このようなジレンマを解決するためには、欧州を経由せずに遠方の市場にウクライナ産穀物を輸出するしかないのです。
ちなみに、現在ウクライナ産穀物の60%以上がルーマニアを経由して輸出されており、現地の農民はハンガリーやポーランド、スロバキアと同様に輸入禁止を要請しています。
追記:ブルガリアもヒマワリ種の輸入停止を発表する予定で、輸出量についてウクライナ側と合意(輸入上限の設定)できれば輸入を再開するそうです。
この問題は両国関係の悪化と共に進展しており、ポーランドはウクライナ人難民への援助停止を示唆しています。また、ポーランドはウクライナ産穀物の輸入禁止を明言し、ウクライナもWTOに提訴を示唆しています。以前は緊密な関係を築いていたポーランドとウクライナですが、穀物輸出を巡る対立が激化しています。その他、両国間のさまざまな出来事により両国の関係は大きく変化しました。
以上が、ポーランドのドゥダ大統領の発言とウクライナの穀物輸出問題についての最新情報です。
ソースリンク: 日本ニュース24時間