[ワルシャワ 25日 ロイター] – ポーランド政府は違約金を払うことなくロシア産原油を購入する契約を破棄できるように、ロシア産原油を欧州へ運ぶ「ドルジバ・パイプライン」のうちポーランドとドイツを結ぶ区間を欧州連合(EU)の制裁措置を適用するようにドイツの支援を求めていることが分かった。協議に詳しい2人の関係者が語った。
これらの関係者によるとポーランドとドイツは、ロシアが所有するシュベート製油所(ドイツ)からポーランドが購入しやすくするため、ポーランド・グダニスクとドルジバ・パイプラインの一部を経由して原油をドイツへ海上輸送ルートで供給するようにポーランドが調整することで合意に近づいている。
欧州連合(EU)はロシア産原油の海上輸送ルートを通じた購入を12月5日から停止すると公約している。
しかし、ドルジバ・パイプラインは現在制裁の対象外となっている。このためポーランドの石油精製会社PKNオーレン はパイプライン経由でロシア産原油を購入する長期契約を結んでおり、契約を破棄するには違約金を支払う必要がある。
EUがドルジバ・パイプラインか、少なくともポーランドとドイツに供給している北側の区間を制裁対象とすればポーランド、ドイツ両国は違約金を支払わずにロシア産原油輸入を破棄できるようになる。
一方、ドルジバ・パイプラインの南側の区間はハンガリーやスロバキア、チェコに供給しており、これらの国々は輸入する原油の調達先を多様化するのに苦労している。