
キーウ(キエフ)中心部の独立広場=ウクライナで2014年、真野森作撮影
英紙ガーディアンは24日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島で、ロシア兵を指導していた複数のイラン人軍事顧問をウクライナ軍が殺害したと伝えた。クリミアのイラン人については、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も10月、「ロシア兵にドローン(無人航空機)の操縦方法を教えている」と指摘していた。
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同紙や米シンクタンク「戦争研究所」によると、ウクライナ国家安全保障国防会議のダニロフ書記はウクライナ軍によるイラン人殺害を認め、「彼ら(イラン人軍事顧問)は我々の領土にいた。(ロシアの)テロリストと協力し、わが国の破壊に加担するなら、殺害しなくてはならない」と述べた。
殺害は10月だが、ダニロフ氏は人数には触れなかった。一方、イスラエル紙エルサレム・ポストは「イラン人10人」がウクライナ軍の攻撃で死亡したと報じている。
イラン人軍事顧問が操縦を教えていたのは、イラン製の自爆型ドローン「シャヘド136」だったとされる。この無人機は標的に体当たりして攻撃することから、「カミカゼ・ドローン」とも呼ばれている。
ロシア軍は、ドローンなどによるウクライナのインフラ攻撃を激化させている。【ロンドン篠田航一】