英、中国製「監視カメラ」を規制 スナク氏「黄金時代終わった」


英、中国製「監視カメラ」を規制 スナク氏「黄金時代終わった」

杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)本社前に設置された監視カメラ=中国・杭州市で2018年9月14日、赤間清広撮影

 「貿易(活発化)が自動的に中国の社会・政治改革につながるという考えは、もはや持っていない」。スナク氏は11月28日、ロンドンでの講演でそう語り、「いわゆる『黄金時代』は終わったと断言する」と述べた。さらに「中国は我々の価値観と利益に挑戦している」と非難。そのうえで、年明けに外交・安全保障政策の詳細な方針を発表する考えを示した。

 また、英政府は11月24日、中国企業の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)の2社が製造した監視カメラを「機密性の高い場所」に設置しないよう関係省庁に指示した。英BBC放送によると、2社の製品は警察や学校など多くの公共施設で導入されており、中国側への情報流出が懸念されていた。全面禁止ではないが、安全保障上の懸念がある場所では早めに撤去するという。

 2社の製品は新疆ウイグル自治区での少数民族監視にも関与したと報じられており、英下院議員らから使用禁止を求める声が上がっていた。

 英国はキャメロン政権時代(2010~16年)に対中関係を強化。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加についても、15年に主要7カ国(G7)で最初に表明した。

 スナク氏自身も財務相時代の21年7月、「中国とはバランスのとれた関係が必要」と発言。中国側を過度に刺激しない姿勢を示していた。だがスナク氏は党内の対中強硬派議員らから度々、「中国に譲歩する姿勢が目立つ」などと批判されていた。【ロンドン篠田航一】



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