東部戦線のウクライナ軍、ソ連時代の兵器を21世紀の戦場に導入

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東部戦線のウクライナ軍、ソ連時代の兵器を21世紀の戦場に導入

ウクライナ東部バフムート近くの前線で、ロシアの陣地に向けて砲撃するウクライナ兵

【映像】東部戦線のウクライナ軍、安価なドローンとソ連時代の大砲でロシア軍に対抗

画面には複数の黒い人影が映っている。荒涼とした冬の丘のてっぺんにいるがパニックに陥ったらしく、画面の中を逃げ惑っている。このライブ動画は、小さなウクライナ軍のドローン(無人機)によって数キロ先から送られているものだ。この監視情報をもとに、砲撃チームが塹壕(ざんごう)にいるロシア兵の殺害を試みる。

数条の煙が立ち上る地点は、標的から僅か(わずか)に外れている。ウクライナによる一斉砲火がもたらした光景だ。

東部戦線の至る所にある地下の司令センターは、何の表示もない金属製のドアの向こうに隠れている。中では机に向かったウクライナ兵が砲撃を指示し、ロシア軍の前進を必死で食い止めようとしている。

この場所で実験的に繰り広げられているのは、安上がりにして斬新な21世紀の戦争に他ならない。兵士らは安価な市販のドローンと、消費者向けのチャットプログラムを使用。標的を狙う兵器は大抵の場合、何十年も前の代物だ。

最も激しい戦闘は、バフムートを巡って起きている。この街は数カ月にわたりロシアに攻め込まれている。

クレムリン(ロシア政府)が大人数の部隊を集結させて今回のバフムートへの攻撃を行う中、ウクライナ軍は苦戦を強いられている。地下の部隊を指揮する国家警備隊の司令官、ペトロ氏が明らかにした。

攻撃は絶え間なく続くように思われ、一息つけるのは敵が兵士の補充を待つ間だけだという。

ウクライナ軍の他のメンバー同様、ペトロ氏もファーストネームしか使わない。身元が特定されるのを防ぐためだ。

ペトロ氏によると、ロシア軍は新たな兵力を次々と送り込んでくる。どれほどの死者が出ようと、ほとんど意に介していないようだという。

ロシア側の死傷者の多さを巡る発言は、ウクライナ側の地方行政トップや一部のロシア兵からも出ている。しかしロシア国防省は先月、軍の損失について戦力全体の1%を超えない水準にとどまっていると主張した。

前出の地下の司令センターは、全ての小部屋がふさがっている。殺害した人数を集計するホワイトボードや簡易ベッド、設定待ちのドローンを入れた箱の置き場所になっているためだ。

「道はぬかるんでいる」「負傷者を素早く避難させたり、弾薬を運んだりできない」(ペトロ氏)

ウクライナ軍の司令官らにとっては、部隊間の意思疎通が欠如しているのも不満の種だ。下級将校の数も足りず、過酷な戦況が数カ月続く中、兵士たちの士気を保つ人材がいない。

さらに前線近くへ向かうと、並木で区切られた農地の中にウクライナ軍の砲兵隊がいて、地下の司令センターと電話でやり取りしている。

隊を率いるトゥマン氏は、手にした携帯電話越しに受け取った標的の座標をノートに書き込む。その内容を大声で兵士に伝えると、兵士はそれを復唱し、スコープをのぞき込んでソ連時代の大砲の照準を合わせる。弾丸はポーランド製だ。発射の衝撃で、ほとんど凍った地面から落ち葉が舞い上がる。弾丸は甲高い音を立てて、地平線目がけて飛び去った。

「我が軍の参謀は、可能な限り多くの弾丸を供給しようとしている」「しかし弾丸の数が少ないのは承知している。ない袖は振れない」(トゥマン氏)

トゥマン氏によると、ロシア側の砲撃の精度は今年の間に低下した。ウクライナ軍が航空機を使用した敵の偵察能力に損害を与えているためだという。

ただ精度こそ低下しているものの、「敵の弾丸は常に我々の頭上を飛んでいく」と、トゥマン氏は付け加えた。

ドネツク州のさらに南にある別の地下司令センターでは、やはり兵士らが複数のテレビ画面を凝視している。

司令官のパブロ氏は取材班に対し、毎日数十人の死傷者が出ていると明かす。

「車両と弾丸は消耗品だ」「それらは数えないようにしているし、必要なだけ使う。敵の前進を止めるために。唯一取り戻せないものが、人の命だ」

それでも、同氏がそうした代償を気に病む様子はない。

「死傷者の出ない戦争などない」「抵抗し、ロシアに領土を奪われまいとするなら、戦わなくてはならない。戦うからには犠牲も受け入れる。そうした犠牲は正当であり、避けられないものだ」

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