
ロシア国旗=ゲッティ
ロシアのノバク副首相は4日、ロシア産原油の市場取引価格に上限を設ける国には、たとえ減産になったとしても原油を輸出しないとの方針を示した。主要7カ国(G7)などが5日から導入する経済制裁をけん制したとみられる。ロイター通信などが報じた。
【侵攻前のウクライナの日常描く】
G7と欧州連合(EU)、オーストラリアは5日からロシア産原油の取引価格に1バレル=60ドル(約8000円)の上限価格を設ける制裁措置を発動することを決めている。ロシアは世界第2位の原油輸出国。ロシア政府の主要な資金源である原油輸出による収入を減少させるのが狙いだ。
報道によると、ノバク氏は、欧米による制裁は「自由貿易のルールに反する重大な干渉」と指摘。価格上限の導入は世界的な供給不足と市場の混乱を引き起こす可能性があるとし、「(ロシアは)多少減産したとしても、市場の状況に基づき協力してくれる国にのみ原油と石油製品を販売するつもりだ」と述べ、価格上限を設定する相手には輸出しない方針を示した。【ベルリン念佛明奈】