オランダ海軍、スペインや英国に続きハープーンの後継にNSMを選択

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ノルウェーのコングスベルグ社が供給する対艦ミサイル「Naval Strike Missile」はハープーンの後継として導入が相次いでおり、11ヶ国の採用国としてオランダ海軍もNSM導入を決定したと報じられている。

西側主要国の対艦ミサイル需要をNSM/JSMが独占しそうな勢いだ

コングスベルグ社のNaval Strike Missile(NSM)はノルウェー海軍のフリチョフ・ナンセン級フリゲート(4,600トン)やシェル級ミサイル艇(260トン)に搭載する対艦ミサイルとして開発され、西側の標準的なハープーンの重量がブースター込みで約660kgあるのに対しNSMは同条件で412kgしかなく、この重量差は当然弾頭(ハープーン220kg/NSM110kg)に影響してくるため破壊力に「大きな差」が生じるはずなのだが、先進的な信管や艦艇の最も脆弱な部分を狙い撃つ能力のお陰で破壊力が大きいのが特徴だ。

オランダ海軍、スペインや英国に続きハープーンの後継にNSMを選択

出典:public domain NSM

この先進的な対艦ミサイルが実用化されるとポーランド軍が沿岸防衛用に導入、さらにハープーンやLRASMを破って米海軍が沿海域戦闘艦向けにRGM-184Aとして採用すると次々と採用国が現れ、コンステレーション級フリゲート(米)やホバート級駆逐艦(豪)といった大型艦までハープーンではなくNSMを選択したため「小型艦向け」という肩書きは過去のものになり、2022年だけでもスペイン海軍や英海軍がハープーンの後継としてNSMを選択していたが、オランダ海軍までNSM導入を決定したと報じられている。

今回の決定でNSMの導入国(予定国を含む)はノルウェー海軍、ポーランド海軍、米海軍/米海兵隊、オーストラリア海軍、カナダ海軍、ドイツ海軍、マレーシア海軍、ルーマニア海軍、スペイン海軍、英海軍、オランダ海軍の11ヶ国になり、F-35A/Cのウェポンベイに収まるNSMの空中発射バージョン「Joint Strike Missile(JSM)」もノルウェー空軍、航空自衛隊、フィンランド空軍の採用が確定、JSMのシーカー開発に資金を出資しているオーストラリアの採用も濃厚と言えるだろう。

オランダ海軍、スペインや英国に続きハープーンの後継にNSMを選択

出典:Kongsberg Defence & Aerospace AS

ここまでNSMが支持を獲得できたのは優秀な性能に加え、米国市場での製造・販売をレイセオンに任せる条件で米軍需要の攻略に成功した点が大きく、F-35プログラム出資国のアドバンテージを生かして開発を進めているJSMもプログラムからトルコが追放のお陰で競合していたSOM-JのF-35搭載が不可能になり、もはや西側主要国の対艦ミサイル需要をNSM/JSMが独占しそうな勢いだ。

ただ防空システムが提供する接近拒否の範囲は広がる一方なので、多少大型しても対艦ミサイルの射程を拡張する考えも支持されており、将来の水上艦に対する攻撃は脅威の強度によってLRASM、NSM、徘徊型弾薬など複数のアプローチ(攻撃コストもさることながら特性の異なる手段で敵防空システムの負担を増やす目的)を駆使する形になるのかもしれない。

オランダ海軍、スペインや英国に続きハープーンの後継にNSMを選択

出典:Israel Aerospace Industries Ltd BLUE SPEAR/5G SSM

因みにアジア、中東、アフリカなどの国々は「特定国のシステムに100%依存すれば外交上の選択肢を狭める=特定国の方針に従属を迫られる」と考える風潮が強いため、NSM以外の対艦ミサイルにも海外市場での需要は十分残されている。

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※アイキャッチ画像の出典:Kongsberg Defence & Aerospace AS

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