「ゼロコロナ政策緩和」せざるを得なくなった習近平政権の「危うい現状」


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「大丈夫か?」と中国をやや心配するシンガポール

「ゼロコロナ政策緩和」せざるを得なくなった習近平政権の「危うい現状」

「烈士記念日」の式典に臨む中国の習近平国家主席 2022年9月30日(共同)

峯村)そうなのです。弾丸で、「機中泊2泊」というような。

飯田)そうですか。

峯村)「この歳になってやるものではないな」と後悔しながら帰ってきました。話題は中国1本でしたね。

飯田)この時期で中国と言うと?

峯村)10月に行われた党大会で3期目になった習近平政権についてです。4年ぶりにの訪問です。前回まではシンガポールは、アメリカと中国の間で「どううまくバランスを取ればいいのか」という話をしていました。

飯田)これまでは。

峯村)中国に対して強硬というわけでもないのですけれど、どちらかと言うと中国を警戒していました。ところが今回は「中国は大丈夫か?」という論調が目立っていました。習政権は本当にこのまま持つのか、とい悲観的な見方もありました。

抗議運動が起き、習近平政権を心配するシンガポール ~中国に大きく依存

峯村)起きています。シンガポールは中華系が約7割を占めますが、実はそれほど中国にべったりなわけでもなく、共産主義が嫌だとか、文化大革命の時代が嫌で逃げてきた人が多いのです。そのため、共産主義に対するアレルギーが強い。

飯田)共産主義に対するアレルギーが。

峯村)ところが習近平国家主席はこの間の党大会の政治報告でも「マルクス! マルクス! マルクス! マルクス!」と連呼していたわけです。となると、「またかつての共産主義に戻ってしまうのではないか」という懸念を抱いてしまうのです。

飯田)かつての共産主義に。

峯村)もう1つは、習近平氏が完全に1強体制になったのだけれども、白紙革命と呼ばれる中国政府の「ゼロコロナ政策」に対する抗議運動が起きました。その影響は大きく、習政権は看板政策を事実上撤回に追い込まれます。3期目に踏み出した早々、躓いたわけです。シンガポールは中国に相当依存しているので、このまま中国が倒れると、それこそくしゃみをして風邪を引くどころではなく、吹き飛んでしまわないか心配しているのです。



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