辻元清美氏、高市首相に「高転びの可能性」 内閣運営にも懸念表明で賛否両論

立憲民主党の辻元清美氏(65)が12月4日に放送された『報道1930』(BS-TBS)に生出演し、高市早苗首相(64)と内閣について厳しい見解を示しました。長年の付き合いがあるという辻元氏の発言は、首相や内閣の方向性、さらには高市内閣が誕生した背景にまで言及し、ネット上では賛否両論が巻き起こっています。

BS-TBS『報道1930』出演時の立憲民主党・辻元清美氏BS-TBS『報道1930』出演時の立憲民主党・辻元清美氏

辻元清美氏、高市首相に感じる「危うさ」を指摘

番組内で高市首相について問われた辻元氏は、「(高市首相とは)40年ぐらいの付き合い」と前置きした上で、「私は無理しすぎた危うさを今感じています」と率直な意見を述べました。その理由として、「自分を大きく、強く、必要以上に見せようとしているということ。これはやっぱり総理大臣として、あまり自分を大きく強く見せようとするということは、高転びする可能性は十分あると思うんですね」と説明し、首相の姿勢が不安定さにつながる可能性を示唆しました。

「お友達内閣」に類似?高市内閣運営への懸念

高市内閣に対しても、辻元氏は「第1次安倍政権にちょっと似ているように思うんです」とコメント。安倍政権が「お友達内閣」と揶揄されたことになぞらえ、「自分たちと同じ考えの人たちばかりを揃えて、何でも自分の唯我独尊じゃないけれども、(そういう)感じでやっていきたいというのが見えている」と指摘しました。

特に懸念材料として挙げたのは、高市首相の「台湾有事」に関する発言です。辻元氏はこれを「非常に危うさを感じますね。安定感があんまりない」と強く批判し、内閣の政策決定におけるバランスの欠如を強調しました。

首相誕生の背景と政治の偏りへの危機感

高市首相が誕生した背景についても、辻元氏は深く分析しました。政界の勢力図が大きく変わったタイミングであったことや、裏金問題で説明責任を問われる議員たちが復権をかけて戦ったことなど、多様な力学が働いたと解説。その上で、「高市さんを総理に押し上げた人たちの、私から言えば“偏った人たち”とか、“裏金議員”とか。そういう人たちのほうに傾いた政治にいってるんじゃないか」と危機感を滲ませ、「対中政策もそうですよ。やっぱりバランスを欠いています」と主張しました。

ネット上では賛否両論が噴出

辻元氏のこれらの主張に対し、ネットニュースのコメント欄にはさまざまな意見が寄せられました。

批判的な声としては、「粗探しに一生懸命になっているとしか思えない。政策を進めるには思想信条が同じような人でないと進められないだろう。それにお友達内閣でもないのは総裁選で争った人たちを重用していることからもわかる」といった、辻元氏の指摘が的外れであるとする意見が見られました。また、「高市さんが自分を大きく見せようとしてるとか心底どうでもいい。我々国民のことを心配して、ただ批判するんじゃなくて国民のために何ができるか考えて行動して」と、批判の焦点がずれているとの指摘もありました。

一方で、辻元氏を支持するコメントも多く、「的確な分析だと思う。内閣に相対するこういう視点も必要」といった声や、「裏金問題で説明責任を問われる議員や、勢力を失った旧安倍派の一部が石破氏を排除し、自らの延命のために高市氏を担ぎ上げた構図は否定しがたい」と、背景分析に同意する意見も見られました。

政治記者の見解:野党の監視役としての役割

ある全国紙政治部記者は、辻元氏の過去に秘書給与詐取の容疑で逮捕され、有罪判決を受けた経緯があるため、現在でも不信感を抱く人が少なくないことを指摘しています。実際に、今回「裏金議員」を批判したことで、「自身の罪を棚に上げている」との意見も上がったといいます。

しかし、同記者は「現在、若年層を中心に高い支持率を得ている高市内閣に対し、辻元氏の所属する立憲民主党は野党第1党として政府を監視、批判する重要な役割を担っています。国民のためにも、辻元氏には説得力のある指摘で、しっかりと高市政権と対峙してもらいたいですね」と述べ、辻元氏が野党の重要な役割を果たすことへの期待を示しました。国民にとって、政府への建設的な批判と監視は不可欠であり、今後の辻元氏の発言や行動が注目されます。