増え続けるバリケード、コソボ側が手を出せばセルビア軍介入の可能性も

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コソボとの国境沿いにセルビア軍が展開したタイミングに合わせズヴェカンと北ミトロヴィツァにも新たなバリケードが登場、コソボ側が撤去に乗り出し住民と衝突すれば「自国民保護」を理由にセルビア軍が介入するかもしれない。

セルビア側はバリケードを増やして衝突を誘う、コソボ側が直接手を出せば自国民保護を理由にセルビア軍が介入する恐れも

セルビア共和国から分離・独立したコソボ共和国で暮らす約5万人のセルビア人はコソボ側の統治を拒否、コソボ当局がユーゴスラビア時代のナンバープレートを廃止する計画を発表するとセルビア人達は「統治を認めていないコソボ側の強制=これに応じるとコソボ主権を間接的に認めたことなる」と反発、セルビア人が多数派を占める地域では道路をトラックやバリケードで封鎖して抵抗する事態に発展する。

増え続けるバリケード、コソボ側が手を出せばセルビア軍介入の可能性も

出典:Public Domain 今月12日に登場したバリケード

このような道路の封鎖を何とかするのは治安維持を担当するNATOのコソボ治安維持部隊(KFOR)なのだが、ナンバープレート廃止をゴリ押しすればセルビア共和国に「コソボで暮らすセルビア人の自由が脅かされている」と言い出して軍事介入を招く恐れがあり、コソボ共和国は「セルビア当局発行のナンバープレート使用を認め続ければ自国領内に主権が及ばないミニセルビアが出来る」と懸念して「KFORが道路封鎖の解除に動かないなら自分たちの手で行う」と言い出し、EUが仲介に乗り出して何とか事態は沈静化していた。

しかしセルビア人が多数派を占める地域=ズヴェカン、レオプサビッチ、ズビン・ポトク、北ミトロヴィツァではナンバープレート廃止計画に抗議して辞任したセルビア系議員、裁判官、治安部門のトップを再選出する必要があり、今月18日に選挙が予定されていたのだが選挙管理委員会の建物が何者かに爆破され、セルビア人側は「アルバニア人による選挙妨害だ」とコソボ当局は「セルビア共和国が犯行を指揮している」と非難しあい、再びセルビア人は道路をトラックやバリケードで封鎖してしまう。

増え続けるバリケード、コソボ側が手を出せばセルビア軍介入の可能性も

出典:GoogleMap/管理人が加工(クリック拡大可能)

KFORはトラックやバリケードを撤去する義務があるのだが、安易に手を出すとセルビア共和国に軍事介入の口実を与えるため動けず、コソボ共和国は再び「KFORが動かないなら自分たちの手で行う」と言い出し、25日にコソボ当局の治安部隊がズビン・ポトク村のトラックやバリケードの撤去を試みようとして発砲事件(どちら側が発砲したのか不明)に発展、この事態を重く見たセルビア共和国のブチッチ大統領は「コソボに住むセルビア人を守るためあらゆる手段を講じよ」と指示してため治安部門や軍は最高レベルの警戒体制に移行。

コソボとの国境沿いはセルビア軍が展開(国境から約10km離れたラスカ駐屯地)、このタイミングに合わせてズヴェカンと北ミトロヴィツァにも新たなバリケードが登場しており、このまま事態を放置すればコソボ側が何れバリケードの撤去に踏み切るのは確実で、住民との衝突に発展すれば「自国民保護(セルビア共和国はコソボ共和国の独立を承認していない)」を理由にセルビア共和国が軍事介入するかもしれない。

増え続けるバリケード、コソボ側が手を出せばセルビア軍介入の可能性も

出典:MO и ВС ラスカ駐屯地に配備されたノーラ B-52

これをKFORが撤去してセルビア住民と衝突するとどうなるのかは不明だが、この件はセルビア共和国の背後でロシアが糸を引いているという見方もあり、問題を軽視していると一気に火がついて手に負えなくなるかもしれないため注意が必要だ。

因みに中国はコソボ共和国の独立を承認しておらずセルビアも香港、台湾、新疆ウイグル自治区に対する中国の立場を支持、セルビアは中国からFK-3(HQ-22の輸出バージョン)や無人機を購入しており、今年4月には中国軍のY-20が一度に6機もベオグラードの空港に飛来し「追加分のFK-3を引き渡した」と噂されているが、正確に中国がセルビアに何を渡したのかは分かっていない。

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※アイキャッチ画像の出典:Vojska Srbije/CC BY 3.0 rs コソボ国境沿いのセルビア軍

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